ナチュラル系の枠を大きく超える名品

 そして一方、オーガニックの世界に一大センセーションを巻き起こしているのが、今春メイクものが誕生したセルヴォーク。日本人にオーガニックコスメの魅力とパワーを丁寧に教えてくれているコスメキッチンが独自に開発した、メイクとスキンケアのニューブランドが、その洗練度の高さで圧倒的な注目を浴びている。これも日本人女性の開発によるもの。

左から:ヴォランタリー アイズ 全24色(左から:10、21、14) 各2,000円、リッチミルク 120mL 9,000円、リッチローション 150mL 8,000円、インテンシブセラム 50mL 15,000円、コンセントレートオイル 30mL 12,000円、リッチクリーム 50g 16,000円、インテントスキン リキッドファンデーション 全5色 各4,800円、ディグニファイド リップス 全4色(左から:01、03) 各3,200円/セルヴォーク

 オーガニックだから、自然派コスメだから、という規制を全く取り外した上で、独創的な開発をした。確信に満ちた力強い色と、研ぎ澄まされた質感、そしてスタイリッシュな仕上がり全てがナチュラル系の枠を大きく超え、一般品の水準も超えて、目を惹いたのだ。
 

ブライト サーキュレーター ミルク 100g 6,000円/ドゥーオーガニック

 また一方、オーガニックものにも炭酸泡入りのコスメがあるのを知っているだろうか。むしろテクノロジーコスメの象徴ともいえる炭酸泡をこなれた処方で乳液に仕立て、マスクもマッサージもできるユニークな逸品として数々のベスコスにも輝くような名品にした。実はこれも国産オーガニックコスメ最大の成功を収めているドゥーオーガニックの仕事。オーガニックコスメの未来を切り開くのは、日本人だった。何かそう思ったら、改めてオーガニックの魅力に浸りたくなった。

齋藤 薫 (さいとう かおる)
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『“一生美人”力』(朝日新聞出版)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。近著に『されど“男”は愛おしい』(講談社)がある。

Column

齋藤 薫 “風の時代”の美容学

美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。

2017.07.05(水)
文=齋藤 薫
撮影=釜谷洋史

CREA 2017年7月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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