当たり前だと思っていたことの大切さを知った2年間

――2年間、芸能活動を休止していたことにより、ご自身のなかで心境の変化はありましたか?

 本当にたくさんのことを考える期間でした。なかでも、大切な価値について、深く考えました。ファンのみなさんの存在もそうですし、今まで当たり前だと思っていたこと、些細なことも大切だということ。

――それは具体的に、どのようなことでしょうか?

 たとえば、いつの頃からか、韓国では歌番組に出させてもらったり、チャートで1位になったり、音楽賞をいただいたりすることが当然だと思うようになっていました。でも、活動できること、ステージで歌えることの重要さを改めて感じました。もっと小さなことでいうと、忙しいときは、朝早い仕事の準備のために、起きるのが辛いとか思うこともあったんですが、そんな状況に早く戻りたいとも思うようになりました。今では、その影響からか、ちょっと大変なことが起こっているんです。僕は以前からメンバーのなかでも準備が早く、時間に正確な方でしたが、もっともっと準備が早くなってしまったんです。予定の4、5時間前から入ってしまうため、スタッフさんがちょっと困っているようです。

――最後に歌手として、俳優としての今後の展望を教えてください。

 今、自分でたくさんの曲を作っているのですが、これからもいろんなタイプの曲をファンのみなさんに聴いていただきたい。俳優としては、『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』をきっかけに、いい作品と出合っていきたい。そのほか、さまざまな分野に挑戦して、みなさんと会う機会が増えればいいと思います。

イェソン(SUPER JUNIOR)
1984年8月24日生まれ。マルチエンタテインメントグループ「SUPER JUNIOR」のメンバーで、リードボーカル。書き下ろした日本でのソロ・デビューシングル「雨のち晴れの空の色」は、本作の主題歌に。アーティストとしてはもちろん、俳優としての活躍も期待される。

『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』
恋人に捨てられ、沖縄出張中に会社が倒産したヨンウン(イェソン)と、韓国語習得が必須の旅行会社に勤務するシングルマザーのさくら(佐々木希)。韓国語学校で先生をすることになったヨンウンに、さくらは得意先の大物が来日するまで個人レッスンを依頼する。
(C)2016「いきなり先生」製作委員会
2016年11月3日(木・祝)ロードショー!
http://www.ikinarisensei.jp/

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2016.11.03(木)
文=くれい響
撮影=深野未季