2016年7月27日に、満を持して日本でのソロデビューを果たした、ダンス・ヴォーカルグループSHINeeの末っ子。笑ったり、悔しがったり、照れたりしながら語ったのは、曲についてやいい男の定義、そして自分の成長について……。
目標に向かって邁進する意志の強さと、甘え上手な“抜け感”が共存する、最強の“末っ子力”を持つテミンのインタビューを3回にわたって連載します。
嬉しさと不安が半々のソロデビュー
「はい、僕、“末っ子”なんです」
「SHINeeのメンバーの中で、一番年下なんですよね?」と訊いたとき、テミンさんは少しはにかみながら、流暢な日本語で答えた。
“末っ子”という響きは、ある種の妄想ワードだ。グループの中で一番年下というだけで、他のメンバーやスタッフから目一杯かわいがられていることが容易に想像できる。かつてできなかったことができるようになったり、身体が大きくなったり、見た目が大人っぽくなったり。歳月とともに劇的な変化や成長を感じることができるのも、末っ子ならではだ。
「実は僕、忘れ物が多くて、すぐ周りの人に迷惑をかけてしまうので、メンバーから、“マジックハンド”って呼ばれてるんです(苦笑)。この間は、移動車でライヴに向かって、ライヴが終わってから車に戻ったら携帯電話を持っていないことに気づいた。きっと、行きの車の中で落としたんだろうと思って、みんなで手分けしてあちこち捜したのに、結局携帯は出てきませんでした。仕方なく新しい携帯電話を買ったんですけど、別の日のライヴが終わって移動車に戻ったらまた携帯がなくて……。みんなに捜してもらっているとき、僕が、移動車の奥まったところに手を入れた。そしたら携帯っぽいものが当たったので『あった!』と喜んだんですが、それ、古いほうの携帯だったんです(笑)。こんなそそっかしい僕を、いつもメンバーやスタッフのお兄さんたちは助けてくれて、たいていのことは許してもらえる(笑)。そんなときは、“末っ子でよかった!”と心から思います。でも、ライヴでたまにメンバーのエネルギーが爆発しそうな瞬間があると、その直前に気配を察して、『みんながおかしくなる前に、僕がしっかりしなきゃ!』って冷静になる瞬間もあるんですよ。最後は結局、僕もクレイジーな渦の中に飛び込んじゃうんですけど」
ビジュアルだけを切り取ると、まったく隙がないけれど、エピソードは隙だらけ。完璧に美しいビジュアルと、かわいらしい言動とのギャップも、彼の魅力のひとつだろう。そんなテミンさんがこの夏、日本でソロデビューを果たした。ファースト・ミニアルバムの表題曲『さよならひとり』は、「今までのSHINeeではやったことのない音楽を表現したい」と考えて、テミンさん自身が選んだ大人っぽい曲だ。(第2回へ続く)
『さよならひとり』初回限定盤(CD+DVD)
SHINeeから初の日本ソロデビュー。テミンだけの色を表現したという『さよならひとり』の他、ブルーノ・マーズが手がけたことで話題になった『Press Your Number』の日本語バージョンなど、全5曲を収録。EMI Records 2,980円
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テミン(TAEMIN)
1993年7月18日、韓国・ソウル特別市生まれ。ダンス・ヴォーカルグループSHINee(シャイニー)のメンバーとして、2011年に日本デビュー。ソロとしては14年に韓国でミニアルバム『ACE』、16年2月にフルアルバム『Press It』をリリース。好きなたべもの=とんかつ。
SHINeeテミンが語る
「僕の成長の記録」
2016.08.06(土)
Text=Yoko Kikuchi
Photographs=sai
Styling=VALET(SLITS)
Hair=Minkyeong Kim
Make-up=Soyoung Lee
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