紅葉を美しく撮影するコツ その1
「状況に応じたレンズ選びと“ゴザ撮”のすすめ」
まず、紅葉を撮る時に持っていくレンズに悩む人も多いだろう。レンズは広角レンズ(16~35ミリ)、マクロレンズ(被写体により近づくことができるレンズ。60~105ミリなどが主流)、望遠レンズ(100~300ミリ)などがあり、多様な写真が撮れる。
後で述べる葉脈などを写す場合はマクロレンズがおすすめである。木々全体や山全体の紅葉を写す場合は広角レンズ、と言いたいところだが、敢えて望遠レンズをお勧めする。なぜなら望遠レンズは被写体が立ち上がっているように写るので、わざと望遠レンズで撮ってみてほしい。
じゃあ、広角レンズはいつ使うの? 広角レンズは葉っぱに目いっぱい近寄って周りの雰囲気と一緒に撮る時に使うのだ。
やはり手持ちのレンズ全部持っていかなくちゃだめか、重たいなあ。と落胆しないでほしい。自分がその日に撮りたい写真でレンズを選べばよい。私のおすすめはマクロレンズと望遠系のズームレンズの2本。
また私はゴザを持っていき、その上に寝っ転がったまま360度ぐるりと見渡して、ズームレンズでパチパチ撮影することがある。題して「ゴザ撮」。ゆる~い感じで撮った写真もなかなか面白い。
楽して撮影しているな、と怒る方もいるだろうが、別の言い方をするなら「このゴザから出てはいけません。このゴザからベスト写真を撮りなさい」と言われているような「縛りの写真」である。「縛り」とは「レンズ縛り」「F値縛り」「シャッター速度縛り」などある一定の条件でベストのものを撮ることであり、ここでいうなら「ゴザ縛り」=「場所縛り」なのである。
これは私が左足首の靭帯を損傷して歩けなかった時に思いついた撮影法。各レンズの焦点距離を頭に叩き込むにはもってこいの勉強法でもある。
2016.10.27(木)
文・撮影=山口規子