カップ入りのムースやゼリーも人気
口あたりのいい、カップ入りのムースやゼリー、プリンもあります。
フルーツをたっぷりのせた「ヨーグルトムース」は、ヨーグルト味にオレンジのリキュールを効かせて、さらにさわやかに。タピオカ入りのヨーグルトソースをかけて味わう「マンゴープリン」は、マンゴーの濃厚な風味ですが、なめらかな舌触りで意外に軽やか。「HANABI」は、杏仁豆腐とアールグレイ紅茶のゼリーの組み合わせで、神戸らしさを表現。海に映る花火をイメージしたキュートなゼリーです。「桃とバラのパンナコッタ」は、ローズのジュレが香る華やかな一品。ジューシィな桃とのハーモニーが素敵です。
「僕が作るのは、フランスそのもののお菓子ではなく、フランスの技術を使った日本人のためのお菓子です。もうひとつ食べたくなるくらいの甘さが好き」と大江さん。神戸の中央卸売市場で購入するというフルーツやエディブルフラワーを使ったフレッシュさ、華やかさも魅力です。
カラフルなマカロンも、大江さんがこだわるアイテム。「パリでマカロンの専門店でも働きました。できたてではなく、冷蔵庫でちょっとしっとり、柔らかくなってから出します」。クリームやガナッシュをはさんで、その水分がマカロン生地に移った状態が食べ頃。生地との一体感を楽しんでほしいのだそう。色目のかわいさはもちろん、食べると夢中になるおいしさ。マカロン好きにはたまりません。
そして、大江さんが小さい頃から大好きだったというだけあって、「フィナンシェ」にはより強いこだわりが。生地はしっとりしていて、なめらかな口溶け。アーモンドとバターが香りたつ、リッチな味わいです。プレーンだけでなく、メープルもショコラも、エレガントで優雅な味。
「マドレーヌ」は、さわやかなレモンの風味が、バターのコク深い味わいと卵の旨みを引き立てる逸品。
パリッ、サクッとした「リーフパイ」も、サクサクした食感で、風味豊かな「ディアマン」も、夢中になるおいしさでした。
他にも、ココナッツ風味の軽やかなメレンゲ「ムラング・ココ」や、お店のシンボルのエッフェル塔の形をした「エッフェル塔クッキー」、数種類の「パウンドケーキ」など、焼き菓子やクッキーのおいしさも秀逸。コーヒーや紅茶を飲みながら、素敵なスイーツタイムを過ごせそう。
右:「パウンドケーキ」1切162円、1本1,296円(手前からバニラ、抹茶&小豆、レモン、紅茶&ベリー)
「大好きなフランも作りたい! チョコタルトやフォンダンショコラ、メレンゲでアイスやフルーツをはさんだバシュランも、パリのレストランで作っていたし、カヌレもプティフールとして出していました。いつかカフェを出せるといいなあ!」。大江さんの夢は広がります。
右:店内の壁には、フランスのエコバッグをディスプレイ。
神戸の下町で見つけた、フランス好きの心をくすぐる、エレガントなお菓子。ていねいに作られた極上のケーキを求めて、足を伸ばしたいお店です。
※価格は税込み
「パティスリー オ・プレジール・シュクレ」
所在地 兵庫県神戸市長田区東尻池町4-10-7
電話番号 078-652-3003
Column
そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行
生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。
2016.09.11(日)
文・撮影=そおだよおこ