ミシュラン3ツ星シェフが監修した極上レストラン

365匹のトビウオが頭上に飾られた「アラグ」。

 このリゾートの特長といえば、食の充実度でしょう。

 食材のほとんどを輸入にたよるモルディブでは、食事のクオリティを確保するのは大きな課題です。しかも1島1リゾートでは、たとえレストランがまずくても、外食に出ることはできず、かといってリゾートを変更するのも難しい。食はモルディブのリゾート選びの大きな判断基準でもあるのです。

 ヴェラ プライベート アイランドのシグネチャーレストランは長い桟橋で結ばれた、水上の「アラグ」。

“アマレッリ”のリコリス・ソルトで、ソースのミルクの香りを引き立てたフィーヌ・ド・クレール・オイスター。

 ここではミシュラン3ツ星シェフ、アデリーヌ・グラタールが監修したモダン・ヨーロッパ料理を供しています。コンセプトは、食材本来の味を生かしたクラシカルな調理方法であること、そして、センセーショナルな食材の組み合わせであること。ひと皿の中に2つの楽しみ方を提案しています。

 店内の天井を見上げると、365匹のトビウオのオブジェ。湯気が立ち上るオープンキッチンから活気が伝わってくる一方で、ピアノの生演奏と波音が静かに聞こえるロマンティックなシチュエーションです。80種類の銘柄を備えたシャンパン・バーも併設されています。

高さ22メートルのタワー「タバル」。ランチとディナーに営業。休業日があるので、確認を。(C)Velaa Private Island

 また、鉄板焼きとアジア・フュージョン料理のダイニングとワインセラーが入った、高さ22メートルものタワー「タバル」は、モルディブのリゾート・アイランドで最も高い建物。

 最上階から水上ヴィラを見下ろした風景は、これまで見られなかった風景かもしれません。というのも、法律でヤシの木よりも高い建物はNGなのです。なんと接ぎ木をして対処したのだとか!? タワーを覆うネットは、フェラーリで使っているものと同じだそうで、耐久性だけではない、こだわりが感じられます。

「タバル」から見た水上ヴィラ群。こういう高みからの眺めは、これまでモルディブでは目にすることはできませんでした。

 ビーチフロントにある「アシリ」での朝食は、ビュッフェと、オーダーするホットディッシュからなります。ずらりと並ぶビュッフェには、ウィートグラスのスムージーや蒸したキヌアなど、朝にぴったりのヘルシーなメニューも。

「アシリ」の朝食ビュッフェ。つい、お皿に盛りすぎてしまうはず。

2016.07.30(土)
文・撮影=古関千恵子