世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第80回は、たかせ藍沙さんが、「インド洋に浮かぶ真珠の首飾り」と賞賛されるモルディブで取材したリュクスなホテルの数々についてレポートします!

最高にリュクスなフレンチラグジュアリーの島へ

「シュヴァル・ブラン・ランデリ」。レストランやバーがあるメイン棟は広々とした四角いプールに面している。

 楽園写真家として知られる三好和義さんを、モルディブにお誘いした。2013年春に出版した『死ぬまでに絶対行きたい 世界の楽園リゾート』(PHP研究所)が好評で、第2弾を出版することになったからだ。第1弾のときにもページ構成から関わり、文章を全て書かせていただいたが、写真は全て取材済の過去のものから選んだ。今回は「ぜひ、撮り下ろしを入れましょう!」とお誘いしたのだ。

 三好さんの美しい写真で構成した『地球の奇跡、大自然の宝石に逢いに… 青の楽園へ』はPHP研究所から4月20日発売だが、その撮影裏話も含めてモルディブの最新リゾートをご紹介したい。

 私にとってモルディブは、以前、ガイドブックの取材などで、毎年2~3週間通っていた勝手知ったる国。少しご無沙汰したので、新しいリゾートも取材したかった。フライトは、その間に就航したキャセイパシフィック航空に決めた。香港経由のモルディブというのも初めて使うルートだった。

ブティック前の壁でウォールクライミング? 島内の至る所にウィットの効いたアートが配されている。

 最初にご紹介したいのは、モルディブで最もラグジュアリーなリゾートと言われる「シュヴァル・ブラン・ランデリ」。ルイ・ヴィトン、ディオール、ドン ペリニヨンなどを擁するLVMHグループの会社が経営するリゾートだ。2013年11月にオープンして1年あまり、既に、王室など、世界各地のトップセレブが滞在しているという。空港の専用ラウンジからしてラグジュアリーな雰囲気で、特別仕様の水上飛行機は定員が通常の3分の1という革張りのゆったりシート。リゾートに着く前からまるで別世界!

客室の前に「Maison」の文字が。自分の家のようにくつろいでほしいという意味が込められている。

 島内での挨拶は「ボンジュール!」。桟橋では、なんと日本人のバトラーが出迎えてくれた。客室は天井が高く、海に向かって横並びにリビング、ベッドルーム、バスルームがあり、間仕切りを開くとひと続きになるという造り。ウェルカムシャンパンは、同じグループ会社のモエ・エ・シャンドンだ。翌朝、三好さんは「体育館で寝ているみたいだった!」とのご感想(笑)。それほど広い部屋なのだ。

水上ヴィラの室内。手前がリビング、中央がベッドルーム、突き当たりがバスルームだ。プライベートプール付き。
上の写真の奥のバスルーム。バスルームだけでこの広さ!

 島内のファインダイニングの名称「ル・1947」は、同グループのワイン「シャトー・シュヴァル・ブラン」の当たり年のこと。ディナーは、グランドピアノがあるラウンジで、食前酒としてモエ・エ・シャンドンのシャンパンをいただいてからテーブルへ。ワインセラーにはドン ペリニヨンのビンテージや、1947年のワインなど、高級ワインがずらりと並ぶ。まるでパリの高級レストランのような雰囲気だ。

「ル・1947」のラウンジ。モルディブのリゾートは90島以上取材したけれど、グランドピアノは初めて見た!

 リゾート直営の「シュヴァル・ブラン・スパ」はリゾート島とは別の小島にある。桟橋からは小船で3分ほど。トリートメントルームがそれぞれヴィラになっていて、ビーチやプール、スパクイジーヌを楽しむことができるレストラン、サウナ、水風呂などがあり、まる1日過ごしても飽きない癒しの島となっている。使用しているコスメはすべてフランスの高級化粧品「ゲラン」というのもフランスのハイエンドリゾートならでは。

スパの更衣室。着替えるだけではもったいないような広さ。この建物にサウナ、スチームルーム、水風呂などがある。
左:トリートメントは海に面したヴィラで。リラクゼーションスペースとなっているベランダでの施術もできる。
右:各トリートメントルームに「ゲラン」のコスメセットが。三好さんの撮影を待っている間にパール入りコスメを試したら、きらきらになって笑いを誘ってしまった。いやそれは、「ゲラン」のせいではなく(笑)。

 モルディブには、今や世界のトップブランドのリゾートが次々とオープンしているが、小さな島にこのようなリゾートが造られたということに素直に感動したのだった。

Cheval Blanc Randheli(シュヴァル・ブラン・ランデリ)
所在地 Noonu Atoll, Republic Maldives
電話番号 +960-656-1515
URL http://www.chevalblanc.com/

2015.04.07(火)
文・撮影=たかせ藍沙