兵庫県南部、播磨灘に面した加古川市。播磨平野をゆったりと流れる加古川の河口部に広がり、近年は、神戸市や姫路市、さらにはJR新快速で大阪まで約50分のベッドタウンとして開発されてきました。
そんなJR加古川駅から歩いて約3分のところにある「チャッツワース」。英国菓子を手作りしていて、イギリス好きの人なら、ぜひ訪ねてみたいスポットです。
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右:落ち着いた雰囲気の店内。
見上げると、ティーポットのマークが描かれた大きな看板。店内には、様々な形をしたアンティークのテーブルや椅子が並び、クラシカルなペンダント照明が淡い光を放っています。壁面には販売用の紅茶がずらり。イギリスの古いティーハウスを訪れたかのよう。
オープンは1994年9月。「それまで紅茶専門店は加古川市になかったんです」と、オーナーの岸本孝一さん。
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1962年生まれの岸本さんは、東京で音響関係の仕事をしていましたが、農業を営んでいた親が身体を壊したのをきっかけに、加古川市に帰郷。地元で営業職に就いて、農業を手伝っていました。
自分で何かしたいと思い始めた時、趣味の音楽活動で知り合った現在の奥様・はつ江さんがアルバイトをしていた大阪の紅茶専門店を知ります。新店舗を開店するタイミングで二人でスタッフとして働き始め、大阪に移り住んでの紅茶修業が始まりました。はつ江さんとは、2年後に結婚。
最初の店は、珈琲はなく紅茶はアイスティーやチャイなどアレンジティーを約20種類、菓子はスコーンやフルーツケーキなど4種類くらいから始め、実験室のように英国菓子や料理についての本を参考に、徐々に増やしていきました。
オープンサンドやココットなど、英国料理も出すようになり、2000年5月には表通りの2階に移転。朝はイングリッシュブレックファスト、午後からはアフタヌーンティーも出して、英国スタイルを充実させました。
2012年からは営業を1階店舗のみに。
「ふたりで20年ぶりにイギリス旅行に出かけて、老舗のBettysに学んだり、食べ歩きをして得た色々を、お店のメニューに活かしています」
お菓子は店内の小さなショーケースに並べられていてテイクアウトもできます。
「ヨークシャーカードタルト」は、2012年の英国旅行の際に学んだヨークシャーの老舗「Bettys」のレシピ。手作りのレモンカードを使用し、酸味が効いたさわやかな味わいです。
「ダージリンのセカンドフラッシュが合うと思いますよ」と岸本さん。紅茶の風味とレモンの酸味のハーモニーに、うっとり。
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ヨークシャーティーをタップリしみ込ませたフルーツケーキ、「ヨークシャーティーケーキ」も、日本ではなかなかお目にかかれないケーキ。紅茶にドライフルーツを漬け込む、英国ならではの作り方です。
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右:焼きたてのヨークシャーティーケーキ。
2016.04.17(日)
文・撮影=そおだよおこ