トランプの快進撃、「グローバルサウスの逆襲」で問われる日本の覚悟　（池上 彰、佐藤 優）

　佐藤優氏と対談していると、化学反応とでも言うべきでしょうか、想定していた話が思わぬ方向に進んでいくことがよくあります。本書も、そんな形になりました。　当初は…

スター意識は一切ナシ、の名随筆『精選女性随筆集石井桃子　高峰秀子』

「わたしたちにとって、高峰さんは映画館に行くといる、言わば世の中の一部みたいな存在だったのですよ」　そう語るのは作家の故・井上ひさし。高峰秀子との対談（『映画…

明治×妖×恋の人気シリーズ！ 『暁からすの嫁さがし』の冒頭50ページを全文無料公開

「小説家になろう」からデビューし、様々な人気作品を手がける著者・雨咲はなさんによる『暁からすの嫁さがし』。妖魔がはびこる明治東京を舞台に、しっかり者の令嬢・奈…

ハードボイルドに、ほどよいセンチメンタリズム。逢坂版「鬼平犯科帳」は優れた江戸の警察小説『平蔵の母』

　本書の解説を書くことになり、あらためて逢坂剛が「火付盗賊改方・長谷川平蔵」シリーズを執筆するまでの道程を考えてみた。すると太い創作の流れが浮かび上がってきた…

死と向き合い続けた日々の記憶を辿って『ナースの卯月に視えるもの』

『ナースの卯月に視えるもの』（秋谷りんこ）が文春文庫より絶賛発売中です。 創作大賞2023（note主催）で「別冊文藝春秋賞」を受賞した本作。その誕生の背景を…

下北沢を舞台にした新作ミステリーを稲羽作品の劇評家兼名探偵が解説！『下北沢センナリ劇場の事件簿』

「変わり続ける相変わらずの街へ――」という作者冒頭の献辞の通り、様々な変化を柔軟かつ鷹揚に受け入れ続けてきた下北沢の街は二〇二〇年、コロナ禍というかつてない大…

女性の下着はキュートでセクシー？　そんな固定観念を解きほぐす寺地はるなの新連載がスタート！

　じつを言うと、２０１６年ごろからずっと小説のアイデアが尽きている。２０１６年というと、はじめての単行本が出た翌年だ。いくらなんでも尽きるのがはやすぎる。　書…

元看護師が描くお仕事ミステリー。『ナースの卯月に視えるもの』第一話全文無料公開！ （秋谷 りんこ）

note主催の創作大賞2023で「別冊文藝春秋賞」を受賞した『ナースの卯月に視えるもの』（秋谷りんこ）が5月8日に文春文庫より発売されます！　その第一話を全文…

児童文学者の感性を豊かに育てた土壌とは？　秘話満載のエッセイ石井桃子、高峰秀子の随筆集

　石井桃子は、幼年期を回想した『幼ものがたり』を《子どもの館》一九七七年四月号から翌年の五月号まで連載し、一九八一年に福音館書店から刊行した。「まえがき」には…

絵師・とよが、父・河鍋暁斎の影であがきながら摑んだ真の芸術の光『星落ちて、なお』（澤田 瞳子）

　本作が第一六五回直木賞を受賞した瞬間のことは、いまでもよく憶えている。　二〇二一年七月中旬、いまだコロナ禍の真っただ中だった。選考会当日、私は有志たちととも…

新学期＆新生活を迎えた「春」こそ読みたい、池井戸潤作品！話題の作品の読みどころをご紹介！

　この春、待望の長編新刊や新たな映像化など、ますます注目が集まる、池井戸潤さんのエンターティメント小説。話題の作品の読みどころをご紹介します！今田美桜さんを新…

阿部智里作家の羽休み――「第96回：タピオカの教訓①」

　私は、何かひとつ「美味しい！」と感じるものがあると、飽きるまでそれを食べ続けるという悪癖があります。以前のコラム（第41回：偏食と牛乳寒天）でも書いたように…

そのカウンセラーには、秘密がある。『その霊、幻覚です。』第1巻プロローグを無料公開！

　累計35万部の人気シリーズ「丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。」著者・竹村優希さんによる『その霊、幻覚です。視える臨床心理士・泉宮一華の噓』第3巻発売…

「まさに和風バチェラー」。京都を舞台にした、和風恋愛ファンタジー『京都・春日小路家の光る君』

累計26万部の人気シリーズ「京都府警あやかし課の事件簿」の著者・天花寺さやかさんによる、書き下ろしの新作シリーズ「京都・春日小路家の光る君」。2か月連続刊行で…

阿部智里・作家の羽休み――「第95回：無料公開のお知らせ」

　いよいよアニメ『烏は主を選ばない』が放送開始しました！　タイトルは『烏は主を選ばない』となっていますが、実際は『烏に単は似合わない』の他、外伝の要素などもと…

「きっと大丈夫」そんな声が聞こえる再生をゆったりと描く傑作“桜”小説　『桜の木が見守るキャフェ』

『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』『伝言猫がカフェにいます』などの作品が大人気の標野凪（しめのなぎ）さんが、文春文庫に初登場！　書下ろし小説『桜の木が見守る…

読後は、日常が微妙に違ってくる『茶の湯の冒険「日日是好日」から広がるしあわせ』（森下 典子）

『茶の湯の冒険 「日日是好日」から広がるしあわせ』は不思議な一冊だ。　読む者によって、さまざまに色合いをかえる。いや、同じ読み手であっても、その時おかれた状況…

読者の脳細胞に直接刺戟をあたえる倉橋由美子の名エッセイ　『精選女性随筆集　倉橋由美子』

　この随筆集に収録された三十一篇のうち、三分の二にあたる二十篇が、一九六〇（昭和三十五）年から六九年までに書かれたものです。この十年は、全学連と全共闘の政治的…

『あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと　ひとり暮らしの智恵と技術』

　この本の単行本版のあとがきを書かせていただいた2018年の秋頃、私は20歳、大学在学中の身でした。母が亡くなった後、依然として地方でひとり暮らしをしながら日…

「好き」の先にあるものは『白光』（朝井 まかて）

　何でもいいから、大好きなことを見つけるように。……と、大人が若者に口を酸っぱくして言うのが、今の時代である。あまりにも「好きになれ」「夢中になれ」と言われる…