“うつわのダウンサイズ”で生活が快適に!

 さて、やっぱり秋は短かった。というか夏が長過ぎたのだ。半袖からアウターの必要な格好に移る、その間の時期が短過ぎる。うつわも同様で、秋っぽいうつわを使う期間が短いのは、つまらない。なんて思いつつ、夏のそうめん用ガラス食器などを棚の奥にしまって、鍋や厚手のうつわを手前におくといった作業をしていた。

 そのとき同時に、「ああ、もうこのうつわは今の私には大き過ぎる」と思うものを整理したのだった。上の写真だと、白いのふたつが今までどんぶりや麺ものに使っていた、直径17センチ前後のもの。右下のひとまわり小さいのが、今の自分に適したサイズ。直径は15センチぐらい。この2センチは結構、でかい。入る容量がかなり違ってくる。大きなうつわに小盛りにするとなんだかさびしいし、おいしくなさそうにも見えがちだ。

 15センチの小どんぶりに盛ったステーキ丼。肉は通常の1人前ぐらいで、ごはんは少なめ。胃に軽い量でもボリューム豊かに見えるのがよく、片手でも持ちやすい。洗いかごにもコンパクトにおさまり、棚でも場所をとり過ぎない。

 パスタ皿も、今までよりひとまわり小さいのにした。以前はパスタ100グラムでちょうどよかったが、今の私の胃には70~80グラムがちょうどいいから。たかが30グラムだが、仕上がりの感じはずいぶん違うもの。この1年で意識的にうつわのダウンサイズを行ったら、生活が少し快適になった。これもまた、一種の暮らしの帳尻合わせに思える。

追記:分かりにくいけど、長芋の残りをナンプラーで炒めて、ツレの弁当のおかずに。左は鶏とたけのことアスパラの味噌炒め、真ん中が三つ葉入り玉子焼きで、その上が長芋炒め。仕事で使った桜でんぶをはじにちょっと詰める。下は海苔。

白央篤司(はくおう あつし)

フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)、『はじめての胃もたれ 食とココロの更新記』(太田出版)がある。
Instagram @hakuo416

Column

白央篤司の帳尻あわせ食日記

外食が続いて栄養バランスが乱れてしまった、冷蔵庫の余り食材や消費期限が迫る調味料の使い方がわからない…体や台所をすっきりさせる“食の帳尻あわせ”のヒントを、フードライター・白央篤司さんが日々の食体験とともに綴ります。