【次に流行るもう一曲】
ドラマチックアラスカ「人間ロック」
SEKAI NO OWARIへのアンチテーゼ?
伊藤 2曲目はドラマチックアラスカの「人間ロック」なんですけど、正直言うとよく知らないバンドです。ただ、彼らの曲「世界の始まり」(ミニアルバム『アンカレッジ・シティー・ポップ』に収録)はSEKAI NO OWARIに対するアンチテーゼかなと思って、彼らの思想に期待しています。バンドのSEKAI NO OWARIの楽曲やスタイルに対するアンチテーゼでなくて、SEKAI NO OWARIの存在に対するアンチテーゼかなと思って楽しんでいます。
山口 なるほど。それは思いつきませんでした(笑)。
伊藤 あと彼らの音源はシンプルで、その飾らないサウンドがロックだなって。売れる音楽のメインストリームではないけど、世の中に必要なロック性だなと思いました。
山口 端的に言うと、バンドの成功の基準はライブの動員力です。楽曲が万人受けする必要は無いんです。ロック性を打ち出して、世界観を確立して、しっかりファンを掴むと、それが拡大していって、結果としてその楽曲がポピュラリティを帯びるようになるというパターンもあるので、ブレずに頑張ってほしいですね。
伊藤 「世界の始まり」に僕の思うようなメッセージがあるとしたら、彼らのそのロック魂を貫きつつ、バンドの成功でのし上がって、その姿をでっかいライブ会場で観せてほしいです。
ドラマチックアラスカ「人間ロック」
LD&K 2016年2月10日発売
1,000円(税抜)
■ドラマチックアラスカは、2010年に同じ高校に通うメンバーによって結成された神戸発のギターロックトリオ。2013年にデビューを果たし、これまで4枚のミニアルバムをリリースしている。2015年のメンバーチェンジを経て、2016年1月には、自身最大キャパでのワンマンライブをなんばHatchで成功させた。
■「人間ロック」作詞・作曲/ヒジカタナオト 編曲/ドラマチックアラスカ、山口高始
■オフィシャルサイトURL https://dramaticalaska.com/
【動画サイト】
「人間ロック」
URL https://www.youtube.com/watch?v=6NgSvSXBhoE
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2016.01.30(土)
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