音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!

 さて、近々リリースされるラインナップから、彼らが太鼓判を押す楽曲は?

【次に流行る曲】
WHITE JAM「咲かないで」

Jポップの春の定番“桜ソング”に挑む!

伊藤 今回はWHITE JAMの4thシングル「咲かないで」。彼らにしては大人しいタイトルだと思ったら、いわゆる“桜”ネタ。日本人にとっては春の定番、卒業式を控えた学生の心を揺さぶるセツナイ系。

山口 “桜ソング”は、毎年出てきますね。ありきたりですが、メディアで特集があったりして、新しいアーティストの認知を広げるのに有効なので、僕も自分のプロデュースで何回か挑戦しています。残念ながら、エバーグリーンになった曲はないですが。桜というのは、季節感も含めて、日本人の情緒に寄り添う、Jポップらしいテーマですね。

伊藤 森山直太朗、ケツメイシ、河口恭吾あたりが思い出されますが、個人的に、NEWSの「さくらガール」には少し関わっていたので思い入れがあります。“桜ソング”っていえば、日本ならではの文化と言ってもいいですよね。もう5年以上前かな、当時のWHITE JAMのマネージメントと付き合いがあったので、彼らの存在はインディーズの頃から知っています。元気な才能あるやつらがいるとは思っていましたが、まだアーティストとして迷走している印象だったし、なんだか余裕のなさと尖りすぎな感じが目立っていたかな。

山口 僕も知っていましたよ。ウチの会社でマネージメントしていたBLUE BIRD BEACHという男性3人組のボーカルユニットが同じ音楽シーンにいたので、チェックしていました。BLUE BIRD BEACHは、ビクターエンタテインメントで2年間リリースしたところで、残念ながら、ちょっと失速してしまいましたが、彼らは息が長いですね。

伊藤 あぁ、そうですね。

2016.02.14(日)
文=山口哲一、伊藤涼