山写真を撮影するコツ その2
「大きさを伝えるための比較対象物を探す」

画面左下にハイカーを入れ込み、広さと奥行き感を出す。ハイカーがなかなか来ないときは「フォトジェニックな人が向こうから歩いて来ますように」と祈って待つのみ。

 第2に、山の雄大さを表現すること。

 山はかなり大きい被写体なので、その大きさを表現するには比較となる何かを見つけ、画角に入れ込むことが大事になってくる。それは車だったり、ハイキング中の人間だったり、自分が立てたテントだったり、それらを同じ画面の中に入れ込むことにより山とその物体の比較が生まれ、雄大さを表現できる。

湖畔のベンチを画面に入れて湖面の静けさと背景の山並の長さを表し、なおかつそのベンチからストーリー性を生み出し、写真を見る人の想像力を掻き立てる。
船の動きから渓谷の幅を表現し、背景の山の高さと傾斜を強調する。

 それだけではなく、その比較対象物は構図のポイントにもなり、写真にストーリー性を生み出し、見る人の想像力を掻き立てるのだ。これは文章で説明するより例となる写真を見て感じてもらえればうれしい。

画面左下の道路に車が来るのを待ち、壮大な広さと空気感を強調する。この時はなかなか車が来なかったのでかなり待った。

2015.08.23(日)
文・撮影=山口規子