ダイエッター心をくすぐる前菜

メインの魚料理「サゴシのポワレ」。桜の塩漬け入りブールブランソース、金美人参、ナスのディクセル、オータムポエム添え。

 2014年1月に料理長に就任した今関一久氏は、パリの「ルドワイヤン」(3つ星)をはじめとする数々の星付きレストランで修業した実力派。

 名物は、パレットに見立てた白いお皿に季節野菜を生かした7品を盛りつけた前菜「パレット・アート・オードブル」で、これがダイエッター心をくすぐります。節制中は低カロリー食材のローテーションで食生活が単調になりがちですが、このオードブルには加賀丸芋、紅くるり大根、金時草など、季節ごとの珍しい野菜が盛り込まれていて、外食の醍醐味を実感。7品は、それぞれに異なる味覚を意識した味付けになっていて、一皿のパレットで甘味・辛味・酸味・旨味・苦味・えぐ味・滋味という7種の味覚が楽しめます。見た目は鮮やかで、風味や香りは五感を刺激する繊細さ。

 パンと共に出されるのはバターではなく、3種のオリーブオイル。自家製の“食べるオリーブオイル”は松の実、ニンニク、玉葱とアンチョビに、干し貝柱と干しエビを使ったもので、いわば“食べるラー油”のオリーブオイル版。乾物の旨味が染みているおかげか、少量でも満足度が高い気がします。このほかに、オレイン酸の含有量が多いスペイン産エキストラバージンオリーブオイルと、タイムやセージなどを使ったフレーバーハーブオイルも登場するので、1種類ずつパンにつけて食べるだけでも、オリーブオイル健康法を実践しているような気分に。

 メインの魚料理や肉料理は、厳選素材の旨味や質感を生かした、王道の味わい。季節感あふれる盛り付けは目にも美味しく、お腹も心も満たしてくれます。

デザートは茨城県・村田農園のいちごのモンブラン。

 ダイエット中の記念日や「マイナス○kg達成記念」のご褒美ディナーに、うってつけの一軒です。

ファインダイニング ラ・プロヴァンス
所在地 東京都港区海岸1-16-2 ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ1F
電話番号 03-5404-7895
営業時間 ランチ11:00~15:00(L.O.14:30)、ディナー17:30~21:30(L.O.21:00)
メニュー ランチ 平日 2,857円~、土日祝 3,949円~、ディナー 平日 6,476円~、土日祝 7,065円~
URL http://www.interconti-tokyo.com/restaurant/la-provence/

小松めぐみ (こまつ めぐみ)
東京都生まれ。食い道楽の親の影響で、10代半ばにして料理に目覚める。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。2000年に独立し、主に雑誌で飲食関連の記事を編集している。

Column

小松めぐみの“キレイになれる”レストラン

食べてキレイになれる一皿、見て美意識が刺激される一皿や、そこに行くためにはキレイにしなきゃと思えるレストラン。キレイのモチベーションを高めるお店や料理を、フードライター歴13年の著者がご紹介。

2015.06.08(月)
文・撮影=小松めぐみ