LOVE:クラッシュゼリー&タンドリーチキン 
バーだからできるデザートに駆けつける

レストラン:デザート&バー クレープ、セクションドール│京都

本当にちょっと振っただけなのにこんなに繊細な「飲むゼリー」が完成。のどごし快感です

 2週連続で京都へ行った。その前はずいぶんと行っていなかったので、とても久しぶり。1週目。京都在住の先輩ライターの関谷江里さんがサイトで紹介していた「デザート&バー クレープ」というお店に抑え切れない興味を抱き、関谷先輩にお願いして連れて行ってもらうことになった。

「クレープ」はれっきとしたバーだ。バーなんだけどクレープをはじめとするデザートが揃っている。しかし、ただ「デザートを出すバー」なわけではなく、「バーだからこそのデザート」なのがすごくいい。まず「絶対試さなあかん!」というのがコーヒーゼリー。

 冷蔵庫から出したコーヒーゼリーをクリーム、リキュール、氷と一緒にシェーカーに入れ、シャカシャカシャ……くらいであっけなく終了。グラスにトロトロと注がれたのは見事に均一クラッシュされたコーヒーゼリーだった。この細かな砕け具合が、シャカシャカシャ……でなぜ実現するのか不思議だし、ゼリーの間を満たすクリームはぐびっといっても美味しいほど上品ですっきりしたものだし、なんだかミステリアス! しかし稀有な味とはこのこと、口でまったりするすると喉を下り、ううう、貧乏性な私は全部飲むのが惜しくてグズグズしてしまうくらい美味しい。

飲める人ならこのひと皿をおつまみにお酒を飲んでもいいと思う。とても濃厚でリッチなデザート

 さらに秋メニューのマロンのフォンダン・ショコラと、中がトロトロ(といっても巷に氾濫する「生」とは違う、しっとり生地を重ねてクリームをしのばせたもの)のホットケーキをふたりでペロリ。本当は名物だというクレープシュゼットを食べたかったのだが、バーテンダーさんと先輩の両方から「このあとごはんでしょ!」と止められたので、夕食のあとこっそり食べに行きました。

 しっとりもっちりとしたクレープがお布団のように畳まれ、オレンジとやはりリキュールずぶずぶで濃厚。激しく多幸感に見舞われるパンチの効いたデザートで、しっかりと割烹を食べたあとでも別腹がかっ開いたかんじ。そうそう、お酒が飲めないので食事のあとに行くところは限られているけれど、和食のあとにこのバーは非常におすすめだ。甘いものが好きじゃない人はお酒を飲めばいいし。もちろん、「両方いける人」がいちばん幸せなのだが。

2011.10.27(木)
text:Mei Hojo