Magnificent View #575
アルバラシン(スペイン)

(C) Mike Randolph / Masterfile / amanaimages

 アルバラシンは、マドリードとバルセロナのおよそ中間地点にある城下町。標高約1200メートルの山間部で、断崖にへばりつくようにして城壁が広がり、その中に石造りの家が密集している。村の背後に見えるのは、10世紀にムーア人が築き、後にキリスト教徒によって拡張された城壁だ。

 村のなかは、狭くて急な石畳の道が複雑に入り組み、迷路のようになっている。しかしながら、赤い漆喰で塗られた壁に木のベランダや窓が取りつけられた家々はかわいらしく、どこかノスタルジックで、狭い路地を歩けば歩くほど、旅情がかきたてられる。

 その風景は「天空の鷹の巣」とも呼ばれ、2005年には「スペインで最も美しい村」にも選ばれたのだそう。村は坂道ばかりで住むのは大変そうだが、一度は旅してみたいものである。

Column

今日の絶景

この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!

2015.04.28(火)
文=芹澤和美