ベルベデール展望台から見下ろす雄大なパノラマ
モーレア島は一周約60キロ、ハトが翼を広げたような形をしています。首の部分にロツイ山がそびえ、両翼の付け根に穏やかなオプノフ湾とクック湾。
オプノフ湾側には、映画『南太平洋』のモデルとなった通称“バリハイ”(モウアロア山)があり、コインの図柄にもなっているモーレア島の代名詞的存在。一方のクック湾側には伝説が残るモウアプタ山があります。
モウアプタ山の頂上付近に目を凝らすと、小さな穴がぽちっと開いているのが見えます。伝説によると、神様のヒロがモーレア島を盗もうと、タヒチ島から槍を投げました。槍を島に引っかけて、引き寄せようという魂胆。けれど、槍は勢い余って突き抜けてしまい、山に穴が開いてしまいました。その山を砕いた音に驚いたニワトリは大騒ぎ。そのためモーレア島ではニワトリが朝に限らず鳴いているとか。
このクック湾とオプノフ湾、両方を一度に視界に収められるのが、高台にあるベルべデール展望台です。一周道路から内陸へ、野生のジンジャーが咲く道を走り、バニラ農園を過ぎ、急な山道を越えて行きます。ここからの眺めはモーレア島のハイライト! あまりにも雄大すぎて、一枚の写真に収まりきれないくらいのパノラマが広がっています。
2015.01.10(土)
文・撮影=古関千恵子