今、CREA世代のみんながこぞって注目するデスティネーションは、何といっても台湾。「台湾といえば」の定番パイナップルケーキ、キャスキッドソン顔負けのセンスを誇るカラフルなバッグ、そして地元の女性に大人気のマスキングテープなど、友人へのプレゼントに、自分へのご褒美にぴったりのお土産を、現地在住ライターの片倉真理さんが厳選してご紹介します。絶対手に入れたいベストアイテムはこれ!

台湾の野生動物や中国語の発音記号がモチーフ

台湾独自の発音記号をモチーフにしたポストカード。1枚50元(日本円約185円)。

 ここ数年、台湾では版画アートが注目されています。書店や雑貨店などでは版画風ポストカードを目にする機会も少なくはありません。そんな中、話題を集めているのが、版画アートを楽しめるショップ「MB more(岩筆模)」です。

「版画アートをより身近な存在にしたい」と熱く語るオーナーの林仁信さん。店内では定期的に展覧会も催しています。

 ここはMRT中山駅近くの「赤峰街」という通りに位置します。一帯は若手アーティストたちの工房が集まっており、小さなショップが点在しています。このお店もそういった中の一つ。水色のかわいらしい窓枠が目印です。

 切り盛りするのは国立台北芸術大学で教鞭を執る版画家の林仁信さん。「若い版画家たちに作品発表の場を与え、版画を通して台湾の魅力を世界にアピールしていきたい」という気持ちから数年前にこの店を開きました。現在は30~40名近くの版画アーティストの作品を扱っています。

台湾の野生動物シリーズ。全種類集めたくなってしまう可愛らしさ。1枚50元(日本円約185円)。

 さまざまな作品が並ぶ中で特に目を引いたのは、黄姿榕さんが手がける版画風ポストカード。「梅花鹿(ハナジカ)」や「台湾ツキノワグマ」など、台湾特有の野生動物が愛きょう溢れる姿で描かれています。

 また、台湾でしか用いられていない中国語の発音記号「注音符号」をモチーフにした作品も秀逸。カタカナのような発音記号を軸に、ユーモラスなデザインに仕上がっています。いずれもポップで明るい色調なので、絵本を眺めているかのような気分になれます。

「MB more」では道教のお寺で用いられるお札をモチーフにしたユニークなカードも販売。「百年好合(いつまでも仲良くいられますように)」や「花鹿米(英語のFollow Meの掛け言葉)」などのメッセージが書かれています。

2015.01.04(日)
文・撮影=片倉真理