世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。
第54回は、芹澤和美さんが中米グアテマラで訪れた素朴な島の思い出を綴ります。
有名な遺跡を訪れる前にちょっと立ち寄ったら……
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グアテマラ共和国の密林にそびえるティカル遺跡は、マヤ文明の遺跡の中でも最大級を誇る、有名な観光地。この壮大な遺跡を訪れる際に、立ち寄ったのがフローレス島だ。おもちゃ箱をひっくり返したようにカラフルな家が並ぶその島の景色は、壮大な遺跡よりも、私の心を弾ませてくれた。
グアテマラ共和国の首都、グアテマラシティから、40人乗りの小型プロペラ機でフローレスへ。眼下に見えるのは、広大なジャングルとペテン・イツァ湖、ピンクや赤の家々が並ぶフローレス島だ。フローレス島は、島といっても、海ではなく湖に浮かぶ島だ。フローレスという名の街は、フローレス島と対岸のサンタエレーナ地区に分かれていて、橋でつながっている。
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ここからティカル遺跡までは約60キロある。そのため、この街に1泊する旅行者も多く、フローレス島は、サンタエレーナ地区ともにティカル観光の拠点として知られている。人々の生活の場であるサンタエレーナ地区は交通量も多く、ごちゃごちゃとした感じもあるが、フローレス島は実にのどか。
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フローレス島の中心部は小高い丘になっていて、そこには、白壁のカテドラルがある。街のいたるところに、マヤ文字をモチーフにしたイラスト(らくがき?)があるのは、マヤの古代遺跡、ティカルのお膝元らしい光景。
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2014.10.08(水)
文・撮影=芹澤和美