フォアグラの副産物、マグレ鴨の料理は絶品!

2人用の部屋が2つ。ひとつの部屋にはその横に子ども部屋がついている。

 さて、ここのシャトーが魅力的なのは、とても可愛い宿泊用のお部屋が2つあること。もちろん、予約さえすれば誰でも泊まることができます。朝食はテラスで。宿泊にディナーはついていませんが、8名以上でシャトー見学に訪れるとき、事前に予約しておけば、マダムのお食事をダイニングで食べることができます。これが素晴らしい!

マダムが愛用する可愛いキッチン。

 「料理好きのお母さんから学んだのよ」という腕前はかなりのもので、メインには葡萄の枝で焼いたマグレ鴨を出してくれたりします。マグレ鴨とは、フォアグラの副産物。つまり、フォアグラを作る鴨のお肉のほうです。昔はフォアグラ生産者で消費していたのが、そのおいしさに、外にも出回るようになったとか。フォアグラをとるために通常の鴨より飼育期間が長く、大きくなるのが特徴です。

メルローの枝で鴨を焼く準備!
マグレ鴨や、付け合わせのじゃがいも、キノコ。チーズはどこで食事しても必ず登場する。

 デザートには、お菓子作りがお上手なご主人のお姉さんが作ったというマカロンも登場しました。間にクリームを挟まないマカロンは、ボルドーのサンテミリオン地方の名産品です。

サンテミリオン名物のマカロン。

 多才なマダムは、年に4、5回、敷地内の建物でポップアップ(期間限定)ストアも開催しています。自分で買いつけてきたアンティークの家具をリメイクしたり、知り合いの作ったアクセサリーを並べたり。センスが良く、まるでインテリアショップを見ているよう。地元の人にも人気で、開催するたび、400~500人もが訪れるそうです。日程を合わせて行けない場合でも、事前にお願いすれば、大規模ではないとはいえ商品を並べてくれるとも話していました。ワインに料理、インテリアまで楽しめる、魅惑の欲張りシャトーへぜひ!

ポップアップストア。アンティークの椅子の布を張りかえてリメイクしたり。センス良く並べられているものは、基本的にみんな売り物だ。

Château Féret-Lambert (シャトー フェレ ランベール)
所在地 33420 Grezillac
電話番号 +33-5-57-74-93-18
URL http://www.feret-labonnelle.com/

浅妻千映子(あさづまちえこ)
聖心女子大卒。建設会社でOLのあと、フリーライターへ。雑誌等で食を中心とした記事を書いている。料理研究家としての活動も。著書に『パティシエ世界一』(光文社新書)、『江戸前「握り」』(光文社新書)、レシピ本『浅妻千映子キッチン』(ぴあ)などがある。レストランガイド『東京最高のレストラン』(ぴあ)の採点者の一人。マンガ『キングスウヰーツ』(全5巻・小学館)の原案担当。JSA認定ワインエキスパート。All About「お酒と楽しむレシピ」のガイド。ワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」のクッキングクラス講師。

2014.09.27(土)
文・撮影=浅妻千映子