ボルドーで作られているのは高級ワインだけじゃない

ここに並ぶワインは10ユーロ以下が多くを占め、5ユーロ以下のものもたくさんある。ボルドーにある施設「プラネット・ボルドー」では、AOCボルドー/ボルドー シュペリュールのワインが約1000種類も揃う。

「ボルドー」と言えば、多くの人が知るフランスの地名。言うまでもなく、ワインの産地として世界的に有名です。高級ワインのイメージが強いかもしれませんが、実は、「ボルドー」と呼ばれるエリアの中で、誰もが知るような高級ワインを作っているのは一部。多くのエリアでは、もっとカジュアルなワインを作っています。

広がる葡萄畑。6月中旬、白くてかわいい花が咲いた後の光景。

 「AOCボルドー/ボルドー シュペリュール」と格付けされた、広域のAOCがあります。AOCとは原産地呼称。エチケット(ラベル)にこれが書かれていれば、その原産地のワインとして決められた基準をクリアしていることになります。限定される範囲が狭まるほど、基本的には高級ワインの地域となるので、「ボルドー全域」という広範囲にわたる「AOCボルドー/ボルドー シュペリュール」のワインは、一般にカジュアルなものに格付けされます(「AOCボルドー/ボルドー シュペリュール」は、「AOCボルドー」と定められた地域は同じですが、ワンランク上の品質となるよう、ブドウの糖度などに規定あり)。

 これがつまり穴場。

昔、石切り場だったという洞窟のような場所を持つシャトーでは、樽に入れたワインをここで眠らせている。温度と湿度が自然にコントロールされている。

「AOCボルドー/ボルドー シュペリュール」のワインは、ボルドー内のどこでも作っていいことになっていますが、実際には、アントル ドゥ メールと言われる地域で生産されているものが多くを占めます。ボルドーを流れる2つの河、ドルドーニュ河とガロンヌ河の間にひろがる地域です。

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2014.09.25(木)
文・撮影=浅妻千映子