ボルドーで作られているのは高級ワインだけじゃない
「ボルドー」と言えば、多くの人が知るフランスの地名。言うまでもなく、ワインの産地として世界的に有名です。高級ワインのイメージが強いかもしれませんが、実は、「ボルドー」と呼ばれるエリアの中で、誰もが知るような高級ワインを作っているのは一部。多くのエリアでは、もっとカジュアルなワインを作っています。
「AOCボルドー/ボルドー シュペリュール」と格付けされた、広域のAOCがあります。AOCとは原産地呼称。エチケット(ラベル)にこれが書かれていれば、その原産地のワインとして決められた基準をクリアしていることになります。限定される範囲が狭まるほど、基本的には高級ワインの地域となるので、「ボルドー全域」という広範囲にわたる「AOCボルドー/ボルドー シュペリュール」のワインは、一般にカジュアルなものに格付けされます(「AOCボルドー/ボルドー シュペリュール」は、「AOCボルドー」と定められた地域は同じですが、ワンランク上の品質となるよう、ブドウの糖度などに規定あり)。
これがつまり穴場。
「AOCボルドー/ボルドー シュペリュール」のワインは、ボルドー内のどこでも作っていいことになっていますが、実際には、アントル ドゥ メールと言われる地域で生産されているものが多くを占めます。ボルドーを流れる2つの河、ドルドーニュ河とガロンヌ河の間にひろがる地域です。
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2014.09.25(木)
文・撮影=浅妻千映子