レベルは上がっているのに、値段は上がっていない
カジュアルワイン生産ゾーンでありながらも、そこはやはりボルドーの一部。ユニークな土壌や樹齢の高い葡萄の木、歴史の長いシャトー(ワイン醸造所)や、最新技術を持つシャトーもあります。やる気のある若手醸造家も出ていて、おいしいワインを生みだす要素がいくつも潜んでいる! 実際に訪れて出会ったワイン生産者たちは、口を揃えて「ワインのレベルは確実に上がっているのに、値段は上がっていない」と言います。
「AOCボルドー/ボルドー シュペリュール」のワインは、日本やその他の国への輸出も多く、地元の人はもちろん、世界中で飲まれています。そして、アントル ドゥ メールにあるシャトーの中には、宿泊できる素敵なスペースを持つところも。そんなところは、外国人の予約で何カ月も先までうまっていたりして、驚かされます。
つまり、「AOCボルドー/ボルドー シュペリュール」は、コストパフォーマンスのいいフランスワインを探すなら絶対に外せないAOCであり、生産地を訪れれば、美しい葡萄畑とシャトー、流れる河を望める魅力的なエリアというわけです。
ワインに興味がある人なら、目を向けて損がないこのAOCですが、「AOCボルドー/ボルドー シュペリュール」の生産組合に加入している人はなんと約5500人。その中から訪れるべきシャトーや、買いたいワインを見つけるのは、いくら鼻がきいても難しそう。
右:クルージングしながら、湾でとれた牡蠣をはじめ、魚介をたっぷり食べることも。シャトー巡りに加えたいお楽しみだ。
次回から、実際に訪れた中からお勧めしたいシャトーとワイン、プラスアルファのお楽しみを紹介していきたいと思います。シャトーで食事、シャトーに宿泊。一度は体験したいそんな夢をかなえる、魅力的なAOCボルドーの世界が待っています。
2014.09.25(木)
文・撮影=浅妻千映子