女性の睡眠の質は悪くない!?

 睡眠についての不満の訴えは男性より女性のほうが多い傾向にあるが、本来、女性の睡眠の質は悪くないのだそう。

脳波を用いた研究で、成人女性の“睡眠の質”は男性よりも良いことがわかっています。それなのに睡眠へ不満を抱きやすい原因は、女性は男性より睡眠不足に弱いこと、そして男性より性ホルモンの変動の機会が多いことが挙げられます。世界各国の睡眠時間を比較した調査では男性より女性の睡眠時間が長い国がほとんど。でも、日本は女性の睡眠時間が男性より短く睡眠不足。これは仕事や家庭、育児や介護を優先した結果と考えられています。加えて、月経、妊娠・出産、更年期など生涯にわたり女性ホルモンの大きな変動にさらされます。女性ホルモンの大きな変動は睡眠の質の悪化と情緒不安定、体調不良を招きます」

寝る前に頭のスイッチを切ろう

 忙しい女性が睡眠と上手く向き合うためには、何をするといいのだろう。

「仕事に、家事に、と眠る直前まで頑張っていると、頭は活発に働いたままアクセル全開の状態。そのままベッドに入っても、なかなか眠りモードに切り替わりません。頭のスイッチを上手にオフにするためには、飛行機が飛び立つときのように眠りへ向かうための助走が必要です。短時間で自分をほぐせるような睡眠ルーティン、たとえばアロマやマッサージ、軽いストレッチ、ハーブティー、ぬるめのお風呂など、ご自分が心地よくなれるものを見つけてみましょう。私個人としては、仕事を終えるときに、明日の自分が見たらすぐに今日の続きを再開できるようメモを作成し、パソコンを閉じたら仕事はそこで終わり、と物理的に意識の切り替えをしています。寝る前にヘッドマッサージ機器で、自分と愛猫の頭をほぐすのがお気に入りのルーティンです」

眠るために頑張りすぎない

 かつては定説だった22~2時の“睡眠のゴールデンタイム”など、睡眠にまつわる情報に振り回されすぎないことも、睡眠と上手に向き合うためには大切だ。

「ゴールデンタイムに眠ると、肌の新陳代謝を促す成長ホルモンが活発に分泌され、美肌になれるとかつて巷で言われました。でもこれは都市伝説のようなもの。たとえば昼夜逆転していても、毎日規則正しく入眠・覚醒していれば成長ホルモンは分泌されます

 睡眠にまつわる情報は参考にしつつ、自分に合った対策を見つけるためにも、困りごとが起きたときには、睡眠外来の存在を心に留めておこう。

「今は依存性のない睡眠薬や薬を用いない治療も選択できます。専門医と一緒に不眠を長引かせないための対策を考えましょう」

次のページ エディターが厳選「寝付きが悪い日のスペシャルケア」

CREA 2026年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。