日本初のハラスメント裁判に着想を得た映画『ファーストボイス』で、3人の子育てと家事、仕事をしながら、社会の理不尽と戦う弁護士・朝日道子を演じた、綾瀬はるかさん。彼女自身が“初めての一歩”を踏み出すときの心構えや、プライベートでの楽しみとは? 海外旅行へ「必ず持参する」というのは意外な“あれ”でした。


今でもものすごく緊張します

――設定がバブル期とあって、女性は結婚して専業主婦になるのが当たり前という時代でした。そんななかで3人の子育てと家事、仕事を両立させる朝日先生はとてもパワフルな女性ですが、ご自身と共通する点はありましたか?

 朝日先生は、たおやかなユーモアがあって、どんなに困難なことがあっても前向きに突き進んでいく。まるで「おきあがりこぼし」みたいな人だなと思って(笑)。

 たとえ不利な状況であっても「何かできるんじゃないか?」と可能性を探るところは、少し共感できるというか、自分に似ている気がしました。そういう意味では、役作りで特別苦労することはなかったのですが、前田(哲)監督から「エレガントに演じてね!」とよく言われて、「エ、エレガントですか?」とお返しすることはありました(笑)。

――本作は日本初のハラスメント裁判という前例のないことに踏み出す女性たちが描かれています。綾瀬さんご自身は、初めての試みにはどのような心構えで挑んでいますか?

 新しい作品に入るときや、普段やらないことに挑戦するときは、「怖いな」「緊張するな」「明日が来なきゃいいのに」と思うことはしょっちゅうあります。

 スタッフさんやキャストさんが全員同じチームという現場は滅多にありませんし、初めてお会いする方も多いです。当日の気温やロケーションによって気持ちが揺れ動くこともあるので、いざ迎えたその瞬間にしかわからない感情と向き合う怖さもあります。

 でも、どうしてもそのときは来てしまうので、まずは「今、自分ができるベストを尽くそう」と心がけています。それがどんなに小さくても、一つだけだったとしても、やりきることで自信や勇気に繋がっていくと思っています。

 『ファーストボイス』のクランクイン初日も緊張しましたが、ウイカさんが現場を盛り上げてくださいました。あとは前田監督のお人柄ですね。いつもカメラ横のすごく近い位置から見ていらっしゃったんです。その様子がなんだか面白くて、常に見守られているような安心感がありました。

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