池井戸潤原作の『民王』がミュージカル化。音楽・歌詞を担当するのは、「かてぃん」の名でYouTuberとしても人気を集める、東京大学卒のピアニスト・角野隼斗さん。クラシックはもちろん、ジャズ、ポップスとあらゆるジャンルを横断する角野さんですが、ミュージカルの音楽を手がけるのは今回が初めて。今回は新たな挑戦にかける意欲などを語っていただきました。

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最初は、自分にできるんだろうかという不安も

――ミュージカル『民王』が始まりましたが、ご覧になってどんな感想を持たれましたか。

 日本にいない間は、稽古のビデオを送っていただいて少しずつ見ていましたが、ゲネプロで初めて生で全編を拝見し、とても素晴らしかったです。

 一人一人のキャラクターが立っているので、それに合わせて一つ一つ曲を作りましたが、見事にはまっていましたね。総理大臣の父親と息子が入れ替わるという設定ですが、実際に入れ替わったような息子役の有澤樟太郎さんと、父親役の別所哲也さんの芝居には説得力がありました。

――池井戸さんから熱烈なオファーがあったと伺いました。最初にそのお話を聞いた時と、実際にお引き受けすることを決めた時の率直なご感想をお聞かせください。

 池井戸さんは僕のコンサートによく来てくださっていて、僕の音楽も好きでいてくれています。

 そんな方がオファーをくださったことはとてもうれしかったです。最初は、自分にできるんだろうかという不安もありましたが、池井戸さんからのオファーとなると、これはもう受けるしかないだろうと、思い切って引き受けました。それから、いろいろなミュージカルを観て勉強しました。

――2023年からニューヨークを拠点にしていて、ブロードウェイにミュージカル観劇にも行かれるということですが、印象に残っている作品はありますか?

 仕事ではなく純粋に観客として楽しんでいますが、好きな作品は『オペラ座の怪人』。人生で一番最初に観たブロードウェイミュージカルで、その感動は忘れられません。全曲が名曲です。最近は『Maybe Happy Ending』というミュージカルを観ました。室内楽編成の音楽なのですが、その設定がとってもミュージカルに合っていて触発されました。

――あらゆるジャンルの音楽に携わってきた角野さんですが、初のミュージカルの音楽担当をされるにあたり、どのような思いがありましたか。参考になったブロードウェイの作品はありますか?

 『シカゴ』と『ハミルトン』は参考になりました。今回の音楽には、僕のクラシックやバンド活動の経験を含めていろいろなものがミックスされています。何曲かは、バンド仲間の浪岡真太郎(Penthouse)が作っているんですけど、彼の作風も僕とは違うので、それがミュージカル全体の音楽のバリエーションを増やしてくれています。

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