1000年の時を超えて“焼きもの文化”が今も根付く日本遺産の町・愛知県常滑を巡る旅。INAXライブミュージアムの次は常滑の町歩きを通して、この地で焼きもの文化が脈々と続いてきた理由を探りました。
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土と焼きものが息づく「生きた文化」を歩く
2日目は、常滑の人と焼きものとの関わりを学べる「とこなめ陶の森」にある施設のひとつ「陶芸研究所」からスタートします。伊勢湾を望む小高い丘の上に立つこの施設は、伊奈長三郎の志であった常滑の陶芸文化の振興を目的として、長三郎の資金によって、1961(昭和36)年に開設されました。古常滑から名工の作品まで、常滑焼の歴史を知れるだけでなく、研修施設として多くの作り手を送り出しています。
ここで注目したいのが、陶芸研究所の建築です。建築家・堀口捨己(1895-1984)が設計したもので、戦後モダニズム建築の傑作のひとつと称えられ、2023(令和5)年8月には本館および正門が国の登録有形文化財に登録されました。
建物には、かつて窯の煙突から昇っていた黒煙や海からの強い西風から建物を守るために、汚れを洗い落とせるタイルが全面に施されました。タイルは14色×4段階の濃淡で展開された伊奈製陶のタイル「カラコンモザイク」のパープルを使用。名建築家に愛されたタイルで、陶芸研究所では5段階のパープルを採用。訪れた日は生憎の天気でしたが、曇天の空とパープルのグラデーションが広がる建物とのコントラストが見事でした。
