日本を代表する焼きものの町・常滑の地に足を運んだなら、やはり常滑の焼きものをお土産にしたいもの。伝統工芸品からモダンなデザインの器まで、作り手の技・感性が息づく焼きものに出会える場所を3つご紹介します。
常滑は「日本一」と称される急須の産地
常滑焼の産地として知られる愛知県・常滑では、平安時代末期(12世紀初め頃)から焼きものの生産が始まりました。
2017年に、中世から現在まで焼きもの生産が続く産地6つが「日本六古窯」として日本遺産に認定されましたが、常滑もそのひとつで、日本古来の技術を継承する焼きものの産地として知られています。
そもそもは知多半島の鉄分豊富な赤土が、低温でも焼き締まることから、大型の甕や壺が作られてきました。現在では、衛生陶器やタイル、茶器などの生産が盛んで、代表的な生産品として朱泥の茶器が挙げられます。中でも急須はまろやかな味のお茶を淹れられると大人気。「日本一」の急須と称されています。
そんな常滑焼の急須から、常滑作家によるモダンなデザインの器に出会える場所まで、ハイクオリティな常滑の焼きものが揃う場所をご紹介します。常滑の焼きものをお土産にしたい人はぜひお立ち寄りください。
◆賢山窯 前川製陶所
大正初期の創業以来、伝統的な常滑焼の技法を守り続ける「賢山窯 前川製陶所」は、伝統的な「よりこ造り」による水鉢や睡蓮鉢、焼き芋用の甕など、大物づくりで知られる窯元です。
四代目の前川淳蔵氏は、甕のほか、急須や食器などを精力的に作ります。
特別に朱泥急須を作る様子を見せていただいたのですが、ろくろの上に置かれたとろりとした赤い土の塊が前川氏の手によって、あれよあれよという間に急須のパーツに変貌する様は圧巻の一言。無駄を削ぎ落とした流れるような手つきには、長年磨き抜かれた職人の卓越した技が宿っていました。
作業場の近くには、前川氏が作った朱泥急須をはじめ、白土焼き締めの急須、可愛らしい中国茶用の小ぶりな急須やおちょこ、そして食器類がずらり。事前に訪問の連絡を入れておけば購入もできます。
焼きものづくりはさることながら、前川氏は料理のセンスも抜群。取材当日は、前川氏が手がけた急須で、ミントを入れた冷茶を特別に試飲させていただきました。すっきりした中にまろやかな甘みを感じるあの緑茶の味は忘れられません。
「あの食器にあれを盛って食べようというところから始めて、食材から調達することもあります。週末はハゼを釣りにいくのですが、釣れたら焼き干しして出汁をとって、その出汁で料理を作る予定です」(前川さん)
食への関心が高く、「焼きものはすべて道具。急須はお茶を淹れるもの、食器は料理を盛るためのもの」と語る前川氏の急須や食器は、美しいだけでなく使い勝手もよく、多くの人に愛されています。
前川製陶所は一般公開はしていないので、訪問する際は「問い合わせフォーム」より事前に連絡したうえで、足をお運びください。
賢山窯 前川製陶所
所在地 愛知県常滑市北条4丁目64
電話番号 0569-35-3203
https://maekawa-seito.com/contact/
