吟味された食材のヘルシーなお料理が夜遅くまで食べられる

BiOcafe(ビオカフェ)
メニュー名:アラカルト

「ロメインレタスの植物性シーザーサラダ」(1,150円)。ロメインレタス、レタス、トレビス、きゅうり、アボカド、こんぶ、豆腐、食パン、にんにく、松の実。

 今回ご紹介するのは、このコーナーのテーマと同じく「食べてキレイになる」をコンセプトにしたカフェ「BiOcafe」です。渋谷のスペイン坂沿いにあるこのお店がオープンしたのは、10年以上前のこと。恥ずかしながら私がこのお店の存在を知ったのは最近のことなのですが、今となってはもっと早く知っていればよかった! と思うばかりです。ひとりでも気軽に入れるし、きちんと吟味された食材を使ったヘルシーなお料理が夜遅くまで食べられ、天然酵母を使った自家製パンも美味しい。そのうえグラスワインも数種類揃っていて、セレクトもなかなか。仕事や買い物に熱中して夕ご飯が遅くなってしまったときなどに、うってつけの存在なのです。

 渋谷の真ん中にこんなお店があったとは……灯台下暗し! でした。渋谷に土地勘のある方ならご存じの通り、スペイン坂は井ノ頭通りからパルコに向かう細い道。小さなアパレルショップやカジュアルな飲食店が並ぶエリアです。私にとっては、高校時代、友人と渋谷をぶらついた帰りに「人間関係」というカフェでおしゃべりするために寄った思い出の場所です。当時の私にとって「人間関係」は他のスペイン坂のお店とちょっと違った特別な存在で、外国っぽさと渋谷の空気感がまざった、飾らない雰囲気にひかれていたのでした。

「BiOcafe」は、実はその「人間関係」の姉妹店だったのです! 飾ったところがない自然体のセンスのよさは、確かに両店とも共通しています。オーナーは一体どんな方なのかと興味が湧いて尋ねてみたところ、母体のクマガイコーポレーションは大正2年に道玄坂で乾物小売商として創業した企業だとのこと。その後、百貨店の中に女性客をターゲットにした甘味屋さんを出店するなど、飲食店の経営にもビジネスを広げていったそうです。女性目線の飲食店づくりは昔からお手の物、だったわけですね~。

スペイン坂に面した入口はガラス張りでひとりでも入りやすい雰囲気。

「BiOcafe」の入口はパンの販売コーナーになっているので、パンを購入するだけのお客さんもいらっしゃいます。そのため、ひとりでも本当に気軽に入れる雰囲気があります。その奥がカフェになっていて、フロアを一段さがったところには清潔なクロスがかかったテーブル席が用意されています。

 お料理は、体にやさしいビオ素材を使ったものばかり。「ヘルシー」というコンセプトはひとつのウリではありますが、お料理には基本的にカロリーは表示されていません。それというのは「カロリーを気にせず、心おきなくお料理を楽しんでいただくため」だとのこと。どうしてもカロリーが気になる人はスタッフに尋ねれば教えてもらえるそうです。ただし、ディナーのコースメニュー3種には、全体のカロリーが表示されています。「リセットコース」「美肌コース」「エナジーコース」のなかでも、「リセットコース」のカロリーは予想以上に控えめ。コースはカロリーが高いと敬遠する人のために敢えて開示しているのではないかと思えるほどです。品数は前菜・スープ・メイン・デザート全4品で、焼きたてのパンも好きなだけ食べられ、女性だけでなく男性も満足できそうな内容です。いろんな食材を一度に摂れるコースメニューは、実は一番体に良いのかも!?

<次のページ> ひとりゴハンも至福のひととき

2014.07.15(火)
文=小松めぐみ