ウーマンリブから『エマニエル夫人』、『anan』セックス特集まで。時代ごとに書き換えられてきた女性の心と性は一体どこへ向かうのか。振り子のように揺れ続けてきた変遷を、齋藤薫さんが紐解きます。(全2回の1回目/続きを読む)
【1961】アメリカ映画『草原の輝き』が問うた“貞操観念”
娘に貞操を強いる母親。息子に資産家の娘との結婚を強いる父親。若い男女の純愛はそれぞれの親に妨げられ、結局は性的欲望を封じえない男が“浮気”をして、ヒロインは自殺をはかり精神病院へ。
そんな悲劇を経て時が流れ「あの草原の輝きや草花の栄光が還らなくても、嘆くのはよそう。残されたものの中に力を見出すのだ」というワーズワースの有名な詩を主人公が郎読するシーン。その切なさに涙した記憶がある。
「処女でないと結婚できない」とのキリスト教の処女信仰は明治時代に日本上陸。「純潔」という概念が初めて美徳になったとされる。
『草原の輝き』
デジタル配信中
DVD発売元・販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
権利元:ワーナー ブラザース ジャパン合同会社
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CREA 2025年秋号
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