突然同居することになった孫と祖母の日々を通して、家族、学び、そして夢を見つける姿を描いた映画『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』。劇中で孫の拓磨を演じた豆原一成さん(JO1)と拓磨の恋人・紗季を演じた八木莉可子さんに、現場の裏話から、今の自分を変えていくために学びたいことまでを語ってもらいました。

【後篇】「コンビニのコーヒーと、あとは…」八木莉可子が幸せを感じる瞬間」


「自信がなかった昔の自分を変えてあげたい」という気持ちで撮影に

——『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』への出演が決まったときは、どんなことを感じましたか? 最初に浮かんだ思いや印象を教えてください。

豆原さん (祖母役の)市毛さんとダブル主演と聞いた際は、「え、本当に大丈夫なのか?」と、俳優としてのキャリアがまだまだ浅いので、うまくお芝居ができるのだろうかと不安になりました。そうそうたるメンバーの方々との共演だったので、今もドキドキしているくらいです。

 拓磨というキャラクターは普段僕が演じている役と比べるととても自然体で、日常に溶け込むようなセリフが多かったので、ナチュラルな演技が自分にできるのかどうかという点にもプレッシャーを感じてしまったのかもしれません。でも、台本を読み込むうちに、JO1に入る前の自分と重なるところがたくさん見つけられて。「自信がなかった昔の自分を変えてあげたい」という気持ちで撮影に臨めました。

八木さん 豆原さんも言ってらしたように、そうそうたるメンバーなので、その中に入らせていただけるだけでもとても光栄で嬉しかったです。家族の絆や、学ぶことや挑戦することの大切さを丁寧に描いている物語にも共感できました。

豆原さん 僕が緊張しているのが伝わったのか、市毛さんが本当に優しく接してくれて。世代が全然違うのにもかかわらず、友達のように喋ってくれるお気遣いが嬉しかったです。

八木さん 私は豆原さんと比べて、市毛さんとご一緒するシーンは少なかったのですが、フレンドリーに接してくださって感激でした。本番が始まると一気に凛とした空気に変わって、その緩急にも惚れ惚れしてしまいました。

 普段、私自身は人見知りだと思われたくないですが、話しかけすぎてうるさいやつだと思われたくないというタイプなんです(笑)。市毛さんの姿を見て、そのバランスを学ばせていただいた気がします。

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