人間は完璧でなくていい、と改めて教えてくれる映画
——先ほど八木さんがおっしゃっていたように、本作は家族の絆や、夢を持つ大切さ、そしていくつになっても学ぶことや挑戦することの尊さがテーマになっています。演じてみて、何か新しい気づきはありましたか?
八木さん 人間は完璧ではなくてもいいということに改めて気づかされて、ほっとできる映画だと思っています。家族とぶつかってもいいし、失敗してもいい。人は誰しも苦手なことがあるし、得意なこともある。その中で補い合って生きていくことが絆につながっていくんだと感じました。愛やつながりが育まれる過程が丁寧に描かれていて、登場人物それぞれが欠点を持っている人間らしいキャラクターであることにも好感を持てました。
豆原さん 僕は、きちんと言葉で伝えるってとても大切なことなんだ、と改めて学びました。思いを伝えるってとても難しいことではあるんですが、相手にきちんとボールを投げることで関係性も変化していきますよね。その変化のチャンスを逃さないように、僕も言葉で伝えていきたいです。
——今回演じられた役にどんな印象を持ちましたか?
豆原さん 僕が演じた拓磨は、コーヒーはとても好きだけど、それを仕事にすることに対しては自信を持てないという人物。先ほどお伝えしたように、JO1に入る前の自分と重なるところはあったんですが、「もう少し自信を持って!」と伝えたくなるようなもどかしさも感じていました。でも、自信がないことを周りに伝えられるのは、ある意味強いですよね。人って、かっこつけて強がってしまうものなので、さらけだして葛藤しながら少しずつ進もうとする姿は好きですし、自分で演じながら応援したくなりました。
八木さん 私が演じた紗季は、拓磨に「カフェをやればいいのに」とすすめる恋人の役です。
一見すると拓磨を引っ張っているようにも見えるんですが、実は支えてもらっている部分もあるのかなと感じました。紗季は素直になるのが少し苦手で、ツンデレみたいな一面もある子。だからこそ、拓磨の純粋ゆえの強さに惹かれていたんだと思います。
——これから学んでいきたいこと、挑戦してみたいことはありますか?
豆原さん 今後は、海外でパフォーマンスする機会をもっと増やしていきたいので、言語、特に英語を学びたいと思っています。
もともと勉強はあまり得意ではないんですが、「世界中の人が使っている英語を、自分ができないわけがない!」と奮い立たせて、モチベーションを上げています。
八木さん 私は健康について学びたいです。自分のパフォーマンスを常に100%に保つためには、体を調整しなきゃいけないと感じています。まずは自律神経に関する本を読んで勉強を始めました。仕事で成果を出すためにも、自分の体をきちんと知ることは大切ですね。
》【後篇】「コンビニのコーヒーと、あとは…」八木莉可子が幸せを感じる瞬間」
豆原一成(まめはら・いっせい)
2002年生まれ。岡山県出身。サバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」から誕生した11人組グループJO1のメンバー。「日本レコード大賞」で優秀作品賞を2年連続受賞、「NHK紅白歌合戦」に3年連続で出場を果たす。デビュー5周年を記念して発売された「BE CLASSIC」は、主要音楽チャートで1位を総なめに。俳優としての主な出演作は日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(24年)や映画『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア』(22年)、『BADBOYS -THE MOVIE』(25年)など。
八木莉可子(やぎ・りかこ)
2001年7月7日生まれ、滋賀県出身。2016年に出演したポカリスエットのCMで一躍注目を集める。その後、Netflixオリジナルドラマ『First Love 初恋』(22年)や、NHK総合『おとなりに銀河』(23年)でヒロインを務め、日本テレビ系『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』(24年)では竜星涼とW主演を果たす。カンテレ・フジテレビ系10月期ドラマ『終幕のロンド -もう二度と会えないあなたに-』に出演するほか、映画『WIND BREAKER』が公開予定。
『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』
祖母文子と暮らし始めた大学生の拓磨は、亡き祖父の書斎で大学の入学案内を見つける。それは文子へのサプライズだった。勇気を出して大学に通い始め、学びの日々を謳歌する文子。一方、拓磨は夢に自信が持てず将来に悩む。そんな二人は富士山が好きだった祖父の手帳に不思議な数式を見つける。夢を見つけた祖母と、夢に悩む孫、二人の絆が新たな景色へと導いていく。
監督:中西健二
出演:豆原一成(JO1)、市毛良枝、酒井美紀、八木莉可子、長塚京三ほか
配給:ギャガ
©2025「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」
10月24日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー
https://gaga.ne.jp/fujisan_and_coffee/
衣装クレジット
豆原一成さん ニット 27,500円/LITTLEBIG、ネックレス 74,800円/LION HEART、リング 4,950円/LHME(共にSian PR)、その他/スタイリスト私物
八木莉可子さん Patchwork embroidered dress 143,000円/MURRAL
- date
- writer
- staff
- 文=高田真莉絵
撮影=平松市聖
ヘアメイク=西尾さゆり(豆原さん)
ヘア=EMORI MIHO(ende/八木さん)、メイク=NAO YOSHIDA(八木さん)
スタイリスト=齋藤良介(豆原さん)、Shohei Kashima(八木さん)
