大胆な展示構成も国際芸術祭「あいち 2025」の魅力のひとつ


空間を贅沢に使った大胆な展示構成もあいち芸術祭の魅力のひとつ。愛知芸術文化センターに展示されている大小島真木の《明日の収穫》はまさに圧巻。
壁一面に展示された「絡まり、もつれ、ほころびながら、いびつに循環していく生命」の姿は人が生きるということを感覚的に認識させてくれる。また、ホールの周囲には造型作品と「農」に関する書籍から引用した文章が。さまざまな角度から絵画を鑑賞していると、自然と生命の循環への理解を深めることができる。



愛知県陶磁美術館の「デザインあいち」には現代日本を代表する画家のひとり、加藤泉の作品が展示されている。この展示も、他の芸術祭ではあまり見ることのできない、贅沢な展示がなされている。広々とした空間に「人がた」の不思議なオブジェや絵画があるのを眺めていると、まるでそんな“何か”の中に引き込まれていくかのようだ。


「大胆な展示構成もそうですが、是恒さくらさんの作品とジョン・アコムフラの作品が続いていたり(どちらも鯨をテーマにした作品)、展示の構成もすごく考えられていますよね。私がいいなと感じたのは、浅野友理子さんとカマラ・イブラヒム・イシャグさんの展示室。繋がる、紡がれる、根付くといった部分が共通する作品が同じ空間に存在することで、それぞれの作品への理解がさらに深まるように感じます」(升味さん)
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- 文・写真=CREA編集部
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升味加耀