印象に残っている変装は?

――以前、インタビューで、「時には、役からなかなか抜け出せなくなることがある」とおっしゃっていましたが、今回はいかがでしたか?

パク・ミニョン 劇中、あまりに多くの変装をして、様々な人物にならなければいけなかったので、役からは抜けやすかったです。逆に演技試験を受けているような気分でした。

――撮影はいかがでしたか?

チュ・ジョンヒョク イランにお尻を蹴られる場面がありました。ミニョンさんの足が見事にお尻のど真ん中にヒットして、一発OKでした。カメラがちょうど僕のお尻を正面から捉えていて、アングルもばっちりでした。

パク・ミニョン 一回で決めないと何度も蹴ることになってしまうので、しっかりと真ん中を狙いました(笑)。

パク・ヒスン キャラクターがくるくると変わるので、今どこにいて、自分は誰なのか、混乱することがあって、気が気ではありませんでした。楽しかったですけどね。撮影期間が、退屈する暇がないくらい目まぐるしく過ぎていきました。

チュ・ジョンヒョク 毎回現場でこんな話をしていたんです。「今日は何のジャンルの作品を撮るの?」「今は時代劇かな?」「ここはどこ? 僕は誰?」って。そうしているうちにいつの間にかクランクアップしてしまいました。撮影が終わったあと、寂しくてしばらくロスになっていましたね。

――CAやパイロットなど、お三方の変装は見どころの一つです。お互い、印象に残っている変装はありますか?

パク・ミニョン お二人は、毎回「あれ? もう現場に来ていたの?」と気づかないくらい見事な変身っぷりでした。

パク・ヒスン 私はちょっとダサい衣装を着なければいけない場面が多かったのですが、意外と似合っていたのが新しい発見でした。私たちもアイディアを出したりして、衣装チームと一緒に作っていきました。変装をして現場に行くと、スタッフたちが大笑いしたりするんです。その反応を見るのが楽しみでした。

チュ・ジョンヒョク スタッフたちの反応がいいと、演技する時にもなんだか勇気が湧いてきて、自信を持って演じられました。

パク・ミニョン 吹っ切れましたよね。

パク・ヒスン 本番中、お互いの変装姿を見て笑ってしまうことも、しょっちゅうで。

パク・ミニョン お二人の姿に笑いそうになった時は、空を見て演技をしていました。

パク・ヒスン なんだかご自身はあまり変装してないような話しっぷりですが、ミニョンさんこそ、かなり変わった変装をしていますからね(笑)

パク・ミニョン 私は、撮影中「どこまでやるのか」という質問を何度も受けたんです。例えば、フリーダ・カーロを演じる時は、眉毛をどこまで似せるのかとか。その時はここにいるお二人だけでなく、多くのスタッフが「一緒に写真を撮って」と言ってくるのをみて、「上手くいったな」と思いました。

パク・ヒスン スタッフの方が持ってきた繋がり眉毛(フリーダのトレードマーク)の小道具を率先してつけて、さらに眉毛を一文字に書きたそうとして、周りのみんなを爆笑させていましたよね。

チュ・ジョンヒョク あの時一緒に撮った写真、早くSNSに載せたいです!

パク・ヒスン ミニョンさんが私の「お母さん」に変身した回も必見です。母親になり切って「息子よ」と叫ぶ姿に大爆笑しました。私がミニョンさんの息子だなんて話にならないじゃないですか。

チュ・ジョンソク 母親姿で登場したときのセリフのトーンは今でも忘れられません。その時のヒスンさんの演技も素晴らしかったですよ。みなさん、ぜひドラマでご確認ください!

パク・ミニョン ジョンヒョクさんの時代劇のキャラクターの変装は、本当に似合ってなくて……。

チュ・ジョンヒョク ええ? その変装をしている時、撮影現場でたくさん写真を撮られたのですが……。似合ってなさすぎておもしろかったってことですか?

パク・ミニョン ただただおもしろかったです。

2025.09.24(水)
文=酒井美絵子