私が私でなくなるわけでも 女が女でなくなるわけでもない

――閉経は女のゴールではない。
渡辺 そうそう。女性としての機能が終わるみたいな言い方にすごく抵抗感があります。閉経をして子どもを産むという機能はなくなるけれども、私が私でなくなるわけではないし、女性が女性でなくなるわけではない。
――実際そういう偏見を浴びたことはありますか?
渡辺 時々SNSのコメントで「劣化ババア」とか書かれたりしますよ。でも50代の私が10代20代の時のままのほうが怖くないですか(笑)。だから私は別に傷つかないんですけど、でもそういうことをそういう年代の女性に対して平気で言ってしまえることにはものすごく嫌悪感をおぼえますよね。それによって傷ついている人はたくさんいるでしょうし。
――実際閉経は女性の心やからだにどんな変化をもたらすのでしょう。渡辺さんはいかがでしたか?
渡辺 もともと生理がそんなに重くなかったこともあり、劇的な変化はあまりなかったです。でも閉経後一年くらいは周期的に心のアップダウンはありました。生理はないけど生理前のPMS的なものは続いてましたね。あとは肌の乾燥が気になったり、髪の毛が少し細くなったり。その時期急に老化が早まった気がしました。
――何か対処はされてましたか?
渡辺 香りはすごく気分転換になるので、アロマを焚くとか。あとはもう何もしたくなかったら何もしない、ごはんも作りたくなかったらちょっと今日はやめておこうとか。とにかく無理をしないことを心がけていました。
――よく閉経を迎えると心がときめかない、キュンとしなくなる、みたいな話も聞きますが。
渡辺 私は韓国ドラマを見てもキュンとしてましたよ(笑)。むしろ「上がった」とか言われることに抵抗を感じてたから、おお上等じゃん! みたいな気持ちが強かったです(笑)。
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渡辺満里奈(わたなべ・まりな)
1970年、東京都生まれ。アイドルグループ「おニャン子クラブ」で芸能界デビュー。卒業後はマルチタレントとして活躍。2005年にネプチューンの名倉潤と結婚、現在2児の母。
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2025.09.21(日)
文=西澤千央
写真=佐藤 亘
CREA 2025年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。