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平和書店アル・プラザ城陽店 奥田真弓さん
茹だるくらいの暑い日、全てのやる気が起きなくて、エアコンをつけて寝転んで読み始め、気づいたら夕方、外は雷雨。そんな夏の日に読んだ本。
一見バラバラと置かれていたパーツが、実はそこにあることに意味があったんだと最後まで読んでニヤリ。面白かったです。
特に3章、妙に刺さってしまった。なぜわかるんだろう、この愛しさと憎たらしさの間のもどかしい気持ちが、気恥ずかしさと苛立ちが尖らせる声の感じが。
昭和は怯えていたが、令和は優しかった。最初若者の読む物語かなぁと思ったけど、わたしはもう物語の若者サイドじゃない。つまり全世代に突き刺さるってことだ。
ありがとうプレイリスト。
わたしも作りたい。
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文真堂書店ビバモール本庄店 新井さゆりさん
心の中を覗かれたような、弱った気持ちや後ろ向きな感情が、とてもリアルに描かれています。でもそれと同じくらい、そっとやさしさを差し出してくれる人たちの姿もまたリアルで、触れずにきたあの頃の自分が、そっと肯定されたような気がして、気づけば涙がにじんでいました。
地元近辺が舞台だったので、もっとローカルネタを期待していたのですが(笑)、それすら吹き飛ぶほどの、愛おしくて可笑しくて、でも胸にじんとくる人間ドラマに、心を掴まれました。ささやかな希望と、ちいさな奇跡が詰まった、人生の再生ボタンをそっと押してくれるような一冊です。
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BOOKSえみたすアピタ富士吉原店 望月美保子さん
カラオケのあの独特の空間……さぁこれから唄うぞ! 歌が好きな人も上手くない人も個室に入れば外から遮断されたあの空間で誰もがハイになる。誰かに聞いて欲しい、でも知らない人には聞かれたくない、皆んな一つになれるんだ! 自己満足と共同作業が行ったり来たり。何万曲から選ぶのはとっておきの一曲か、誰もが自由で一夜のスターになれるあの部屋のマジックが、誰かの人生を彩ってくれるに違いない。
2025.09.19(金)