作家デビュー10周年を迎える寺地はるなさん。最新刊『リボンちゃん』は、街の小さなテーラーを舞台に、読む人の心をそっと解きほぐす物語です。全国の書店員さんから届いた熱烈なメッセージ、第2弾です!

宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみさん
リボンちゃんである百花が自分の考えの芯がブレずに過ごしているところがとても好きだ。えみちゃんとの会話で「わからなくて、おもしろいなって思う」と言うセリフにハッとさせられた。つい「わかるー」と言いがちな自分にちょっと反省。わかる時はわかる、でもわからない時もあると言えるようになりたい。読んでいて百花の考え方、感情がとても心地よくてあっという間に引き込まれてしまった。ずっと読んでいたいのに読み終わった時の喪失感。でもどこかで生活している百花たちのことを思うと幸せな気持ちになれる。
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未来屋書店八事店 村瀬さん
好きです! リボンちゃんに出会えてよかった、こんな素敵な本に出会えて良かった。小さな頃のように、また何か作ってみようかな。
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コメリ書房鈴鹿店 森田洋子さん
無理して大きな夢を持たなくてもいいし、ほどけたリボンは結び直せばいい。毎日の息苦しさから解放されるような内容のお話に私自身も肩の力が抜けるような気がしました。リボンちゃんの自然体な姿は周りの人達にそっと寄り添ってくれますね。寺地先生のお話ってほんと沁みます。
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文真堂書店ビバモール本庄店 新井さゆりさん
ふわっと不思議で、あたたかくて、じんわり心に染みる。そんな物語から、ジェンダーや、らしさってもっと自由でいいんだ、という静かな強さをもらいました。ほどき直す一針に、思い込みの縫い目までもがほどかれていく。リボンちゃんの、肯定も否定もせず、ただ目の前に向き合う包容力に、静かに撃たれます。誰かの優しさに、そっと触れたような読後感でした。
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福岡金文堂志摩店 伊賀理江子さん
このお話、すごく好きだ。日々生活するなかでなんとなくいいなと思うもの、理由は無いけど心惹かれるもの、好きなものを増やしていこうと思えた。周りの目を気にして行動を変えるのではなく、自分の気持ちだけで行動できたら理想だなと思う。大人になるほど、それはとても難しいことだけど。でも自分の感覚を大切に、雑に扱うことのないようにしていきたいと強く思った。頑張るときも頑張らないときも自分なんだ。「ああ、やっぱり、リボンちゃんだね」このシーン、涙が出た。付加価値なんか無くてもひとはそのままで充分。そのまんまで、様々で、魅力的だ。周りのひとを、これから出会うはずのひとを、愛おしく思える作品だった。
2025.07.23(水)