紀伊國屋書店名古屋空港店 土屋彩乃さん
夢がない平凡な生き方を肯定してくれる、それでいいんだよ、遅いことなんてないんだよって思わせてくれる…やっぱり寺地はるなさんの小説は、私が生きてく上で必要不可欠なものだと思いました。まず私は手芸が大の苦手(というかやりたくない)なので、リボンちゃんや加代子さんを尊敬しましたし、下着っていう他人に見せないものだったとしても、どんなに難しい依頼でもお客さんの思いに応えようと向き合う姿が素敵でした。でも、何よりもリボンちゃんの生き方がかっこよくて…! 自分に自信がなかったり、年齢を気にしだすと、髪飾りに限らず服とか身につけるもの全般、「これ素敵だし身につけてみたいけど、自分には厳しいかな」とか他人の目を気にしてしまうものだと思うので…他人にどう思われようが自分の生き方を貫くリボンちゃんに憧れました。p268の11行「自分の夢を見つけた! 信じたこの道を……」のセリフが最高に刺さりました。「今やりたいからやってみる」っていう言葉はお守りです! リボンちゃんと社長のやりとりが面白くて好きでした。リボンちゃんと福田さんに今後なにかしらの進展はあるのか…気になります。

三洋堂書店新開橋店 山口智子さん
自分の感情を他人に押し付けないリボンちゃんは自分も他人も大切にできる人。自分の気持ちを確かめながらゆっくりと進んでいくリボンちゃんと、70歳を目前に長年諦めていた事に挑戦する覚悟を決めた加代子さん。2人とも大好きです。心地よい風に吹かれて息をするのが楽になるような物語でした。

匿名
同い年の友達が家を買ったり、同じ職場の人が次々と新しいステップを踏み出すなか、ふと自分は10年後20年後も今のままだろうか、と漠然とした思いに耽ることが増えてきたところへ無理に方向転換しなくていいと教えてもらった気がします。

蔦屋書店熊本三年坂 迫彩子さん
人から好かれる人になるのでなくて、自分を好きな自分になれるおまじないのような作品でした。どうやったらリボンちゃんみたいな人になれるかな、と思った時に本人や周りの人たちがとっても素敵な言葉や生き方のヒントを沢山くれます。すぐに同調せず、自分はどう思うのか感じるのかを誤魔化さずに考えるリボンちゃんの姿勢が、他人を否定したり突き放したりするようには見えないのが不思議でした。自分のカタチを自覚して他の人との境界線をはっきりさせることは、他の人を否定することではないのだと思います。自分の好きは自分で決めていい、でも迷ってもいいし、迷ってる人がいたらオススメしてあげるのもいい、ふわふわとしているのに結び目はぎゅっとしている素敵なリボンのような作品でした。

宮脇書店境港店 林雅子さん
読後に、心の中がほっこり温かくなりました。そっと背中を押して一歩踏み出す手伝いをしてくれた。そんな気持ちになりました

明屋書店豊前店 加来智美さん
それぞれにとっての心地よさも、自分にとっての心地よさも大切にしてるリボンちゃんはすごく素敵な人だと思いました。思っても押し付けないのがとても良いです。いいこと言おう、なんてしないところも大好きです。ふんわり優しい気持ちをいただきました。

リボンちゃん

定価 1,650円(税込)
文藝春秋
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2025.07.23(水)