この記事の連載

冷え、むくみ、更年期症状…ワタナベマキさんに教わる私をいたわる秋の薬膳ごはん

 お仕事でお世話になった中医学の先生が魅力的で、「授業を受けてみたい」「せっかく勉強するなら、資格も取ろう!」と一念発起し、今年1月、世界中医薬学会連合会が認定する「国際中医薬膳師」の資格を取得しました。料理の仕事をしていると「なすやきゅうりはからだを冷やすもの」といった素材の知識は何となく入ってくるものですが、それを体系的に学びたいと思ったのです。

 「仕事と勉強の両立は大変だったのでは?」と聞かれたりしますが「面白い!」が先に来た感じで、今も単発の講座を受け続け、より実践的な学びを深めている最中です。

 私も年齢を重ね、疲れが取れにくくなったり、風邪の治りが遅くなったりと、「もう若くはないのだな」と感じることも増えました。でも薬膳は病気になる手前の「未病」の状態を改善し、元気の底上げをしてくれるもの。

 「飲みすぎたから、むくみ取りのあずき茶を飲もう」「春先のイライラにしじみのお味噌汁を」といった具合に、体調の微調整ができるとすごくラクなんです。薬膳知識の丸暗記は大変ですが、ご自分の体質や悩みにいい食材だけでも調べて意識して食べ続けると、不調がやわらぐことも多くおすすめですよ。

ほてりを鎮める【冬瓜と春雨のスープ】

 からだにこもる熱を冷ましてくれる冬瓜と春雨。この2つだけだと秋冬には冷えすぎてしまうので温め力のある鶏肉、しょうがと組み合わせました。

 春雨は、原料が緑豆のものを選んでくださいね。

●材料(2人分)

・鶏ささみ肉……3本(約150g)
・塩、片栗粉……各少々
・冬瓜……200g
・緑豆春雨……30g
・しょうがの細切り……1/2かけ分
・酒……大さじ2
・水……400ml
・塩……小さじ2/3
・黒いりごま……少々

●作り方

(1)鶏ささみ肉は筋を除き、表面の水気を拭いて一口大に切る。塩少々をふり、片栗粉をまぶす。

(2)冬瓜は種、ワタ、皮を除き、1.5センチ厚さに切る。春雨はぬるま湯に10分浸し、長いものは2等分に切る。

(3)鍋に(2)、しょうが、酒、水を入れ、中火にかける。煮立ったら塩を加え、蓋をして弱めの中火で8分煮る。

(4)(1)を加えて弱火にし、蓋をして5分煮る。

(5)器に盛り、ごまをふる。

2025.09.29(月)
文=田中のり子
撮影=清水奈緒

CREA 2025年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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「誰にも聞けない、からだと性の話。」

CREA 2025年秋号

「誰にも聞けない、からだと性の話。」

定価980円