アートのようにモダンな韓国が凝縮された「SERASÉ」
「Art Paradiso(アートパラディソ)」の3階に降り立つと、そこはまるで静かなるギャラリー。ドアを開けると目の前に現れるのは、韓国料理を基盤にしながらも想像を超える皿が並ぶ「SERASÉ(セラセ)」です。その店名は、韓国語で“セナン=新しくて新鮮な”という意味からだそう。伝統的な韓国食材と現代的な技法が組み合わさった、いわば“モダン・コリアン”をいただける、大人のためのモダン韓国料理ダイニング&バーです。
黄金のアーチに煌めくシャンデリア、クラシカルなタイルフロア。すべてが美しく計算された「SERASÉ(セラセ)」の店内は、入り口に立った瞬間から高揚感を誘います。
ディナーはすべてコース料理(要予約)として提供され、伝統的な食材を使いながらも、香りや盛りつけ、調理方法は、今まで食べてきた韓国料理とはまったくの別物! 3か月ごとに変わる内容はまさに食のアートと言っても過言ではありません。今回いただいたコース料理「SUMMER SEASON」(150,000ウォン)をご紹介します。
まずはシャンパンで乾杯! 別料金で抜栓料を支払えば持ち込みも可能です。
韓国食材をモダンに昇華した、アートピースのような一口サイズのウェルカムフード。
とうもろこし本来の甘みがやさしく広がる、滑らかな冷製スープ。
ミル貝をきゅうりやなす、ズッキーニなど夏野菜でサンドし、えごま、唐辛子を合わせ、りんごソースでまとめた一皿。みずみずしい香りと貝の旨みが静かに広がります。
イカのスンデは、スンデと聞いて想像するものとはまったく違う、上品で驚きのある味。ぷりっとした食感とふくよかな風味がたまりません。
お口直しのシャーベット。
メインディッシュは、異なる部位と味わいが堪能できる肉好きにはたまらない一皿。韓牛ヒレのやわらかさに感動しつつ、香ばしいトッカルビと甘辛く味付けされた牛シビレが絶妙なアクセント!
締めにふさわしい、清らかでやさしい味わいの冷麺。
甘みも香ばしさも、スーパースイートコーンの魅力をぎゅっと閉じ込めたムース。ミルクアイスと一緒に。
いちごのフリーズドライ、抹茶のパウンド、柚子を添えたダークチョコレート。どれもひと口で季節の余韻を感じられる、贅沢な締めくくり。よもぎ茶とのペアリングで、心までほどけていきます。
アートのような料理と空間はとにかく「美」につきます。せっかくパラダイスシティに訪れたのなら、この特別感も味わわずには帰れません。
ちなみに「SERASÉ(セラセ)」では朝食もいただけます(宿泊予約時に要予約)。韓国の家庭料理を思わせる滋味深いスープに、優しい味わいのおかずが少しずつ。炊きたての雑穀ごはんとともに、穏やかな朝の時間をゆっくりと堪能できます。
御膳スタイルの朝食。旅先での朝だからこそ、心にも体にもやさしい一膳を味わえるのが嬉しい!
SERASÉ
「SERASÉ」
営業時間 朝食_7:00~10:30、ランチ_12:00~15:00、ディナー_18:00~22:00
場所 アートパラディソ3F
2025.08.22(金)
取材・文=齊藤美穂子
写真=深野未季