岡山弁に苦労した倉敷ロケによる初主演映画

――そして、このたび公開される映画『蔵のある街』では、岡山県の倉敷で花火を打ち上げようと奔走する高校生・難波蒼役を演じられました。映画初主演としての意気込みは?
お芝居でいうと、全体像を把握することを意識しました。自分が出演していないシーンなど、前後の繋がりを考えて演じないと、矛盾が生じてしまいますし。だから、台本をしっかり読み込んで丁寧に演じようと思いました。あと、サックスを吹く役だったので、お借りして自宅でも練習しました。ハーモニカと違って、なかなか音が出せないので大変でした。
――ほかに、どのような役作りをされたのでしょうか?
岡山弁ですね。とにかく倉敷市に住んでいる地元の高校生に見えなければいけないので、市内を歩いて空気を感じたり、地元のエキストラさんと話すようなことを意識していました。あと、以前「琥珀の夢」というドラマで倉敷を訪れていたこともあるので、そのときに撮った写真を見て、頭の中でイメージしてから現場入りしました。

――そんな岡山県倉敷市での撮影エピソードを教えてください。
みんないい方ばかりで、そしてご飯が美味しいんです。現場近くの定食屋さんに通っていて、いちばん美味しかったのは、名物の味噌カツ丼。とても大変な撮影が終わった後に食べたときには、思わず泣きそうになりました。
でも、僕がいちばんビックリしたのが、市内のお店に学生さんが書いたと思われる習字がたくさん貼ってあったことです。不思議に思って、地元の方に聞いてみたところ、岡山は書道人口がもっとも多い県のようで、学生さんの書道パフォーマンスも盛んらしく、そういったところに温かみを感じました。
2025.08.22(金)
文=くれい 響
写真=平松市聖
ヘアメイク=髙橋幸一(Nestation)
スタイリング=西村咲喜