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高田馬場スイーツ #1
高田馬場スイーツ #2
高田馬場スイーツ #3
高田馬場スイーツ #4
四川風かき氷は、ぷるぷる・もちもち・サクサクの競演

夏の一番人気のおやつは「四川風かき氷」こと「氷粉(ビンフェン)」です。四川省では季節限定の屋台や専門店で食される夏の風物詩的なおやつで、火鍋の店の〆デザートに登場することも。氷粉(ビンフェン)とはオオセンナリという植物の種から作った、ぷるぷるのゼリーのこと。台湾の愛玉子(オーギョーチー)とちょっと似ています。
その氷粉とかき氷を合わせた「糍粑氷粉(ツーバー ビンフェン)」は糍粑(きなこ餅のこと)と干しブドウ、山査子(さんざし)チップ、くだいたピーナッツや胡麻をトッピング。合わせるシロップは紅糖で作った黒蜜で、黒糖よりもエグミの少ないすっきりした甘さが猛暑で疲れた舌を優しく潤します。ほか、「玫瑰氷粉」「醪糟氷粉」「水果氷粉」など、全部で4種の氷粉が夏限定で味わえます。
スイートポテトのような点心に、冷たいチャイが◎

ほっくり&しっとりした食感の「緑豆糕(リュードウガオ)」は、ふかした緑豆に砂糖とバターを混ぜて冷やし固めたもの。スイートポテトのような口当たりで、甘さも控えめ。日本では春雨の原料として知られる緑豆ですが、中国では体内の熱を冷ますと言われている夏の定番食材。「緑豆糕」も中国の南の地方や台湾で広く食べられている愛されおやつです。

蔵茶とはチベット向けに出荷されていた黒茶で、現地ではバター茶などに使われるそうです。その蔵茶にミントとスパイスを加えたマサラチャイは「甘露」オリジナル。添えられた夏みかんのシロップ漬けを加えると、お茶に爽やかな甘さが加わります。セットでついてくるお茶うけは、中国でも大人気のオイルローストしたナツメ。ほのかな甘さとサクッポリッとした軽快な食感がクセになりそう。
2025.08.09(土)
文=嶺月香里
写真=鈴木七絵