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 早稲田大学のお膝元としてにぎわう学生街・高田馬場。駅を出ると“ガチ中華”と呼ばれる本格中華料理店が軒を連ね、ミニ中華街を思わせる様相に。

 留学生の多い早稲田大学をはじめ、日本語学校や留学生向けの寮があるなど、高田馬場はもともと中国人や台湾人が多いエリア。ガチ中華のお店がぐっと増えたのはコロナ禍以降で、国に帰れなかった中国人留学生たち向けに故郷の味を提供する店が増えた、というのが定説です。

 中でも注目したいのは、中国・台湾の本場の味を再現したガチ中華スイーツ! 中国や台湾からの留学生はもちろん、日本人にも大人気の専門店やカフェをご紹介します。

 第4弾は、台湾スイーツ“芋圓(いもえん)”の専門店「台湾九份芋圓(たいわんきゅうふんいもえん)高田馬場店」へ。台湾人から伝授してもらった本場のレシピをベースに、毎日できたて手作りの味を提供しています。


作り置きしない、ふわもち食感のカラフル芋圓

 台湾九份芋圓は芋圓(いもえん)を中心とした台湾スイーツの専門店。毎日手作りしている芋圓はもちろん、豆花(トウファ)や仙草ゼリーの味のよさでも定評のあるカフェです。

 「自家製の芋圓は、毎日いもをふかし、タピオカ粉を混ぜて生地を作っています。作り置きはせず、できるだけゆでたてを提供することでかたくならず、ふわっもちっとした食感が楽しめます」と話す店主の力武達雄さん。

 芋圓にハト麦、緑豆など雑穀をたっぷり加え、タピオカを散らした「芋圓(いもえん)一号」は、ばっちり食べ応えがあるのに甘過ぎず、とってもヘルシー。

「日本のスイーツはしっかり甘いものが多いけれど、台湾スイーツは甘さが控えめ。この店のレシピのベースは台湾人の直伝ですが、控えめな甘さはそのままに、ちょっとだけ日本仕様にしているんです」(力武さん)

 レシピや食材は7割本場、3割オリジナルを意識しているそう。台湾人からは日本風に少しアレンジしていておいしいねと言われ、日本人からは現地の本格的な味がすると言われるそうです。

 芋圓はタロイモの白、サツマイモの黄、かぼちゃのオレンジ、抹茶の緑の4種それぞれ色が異なり、色鮮やか! 台湾では2色の芋圓を出す店が多いそうなので、カラフルな芋圓が食べられるのも日本ならではと言えますね。芋園をのせたスイーツは、一号~五号の5種があり、ゆでた小豆や緑豆など、さまざまなトッピングで味わえます。

2025.08.09(土)
文=嶺月香里
写真=鈴木七絵