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撮影風景の想像を掻き立ててくれる“裏話”

 そして、こちらがダイアゴン横丁と似て非なるノクターン横丁のモデルとされる裏路地、グッドウィンズ・コート。第2作『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で、ハリーがフルーパウダー(煙突飛行粉)を使ってダイアゴン横丁へ向かおうとして発音を失敗し、迷い込んだ横丁です。『ハリー・ポッターと謎のプリンス』でもハリーたちが、マルフォイがボージン・アンド・バークス(闇の魔法アイテムを扱う店)を訪れるのを目撃するシーンに登場します。

 J.K.ローリングがノクターン横丁のインスピレーションを得たとされるこの路地は、1700年頃の建物がそのままの姿で残されており、今も住民の暮らしがあります。夜になると、年代モノのガス灯が3つだけ明かりを灯す、その幻想的な雰囲気が、当時秘書として働いていたJ.K.ローリングの、仕事帰りのお気に入りだった、とのエピソードが。

 けれど、ここでは実際に撮影を行うことはできませんでした。これには3つの理由があります。まず、撮影機材を入れるにはスペースが足りなかったから。次に人が暮らしているので撮影に制約があったから。そして、3つのガス灯は貴重な文化遺産だったから。撮影中に、ガス灯に万一のことが起きたら大変です。といったわけで、スタジオで撮影されたそうです。

 そしてロンドンにおいてダイアゴン横丁のモデルとして最も有力視されているのが、セシル・コート。手描きの看板やカラフルな街並みがこの横丁を彷彿させます。書店やレストランなどに交じって、1764年にモーツァルトが家族で泊まった場所もここに。

 ここには書ききれないくらい、ツアーにはアダーティー由佳さんのマシンガントークによるハリー・ポッター情報が満載。ロンドン観光もできるので、一石二鳥です!

See Your City
「オリジナル・ハリー・ポッター・インタラクティブ・ウォーキング・ツアー・オブ・ロンドン」

https://seeyour.city/london-original-harry-potter-walking-tours-english
料金/21ポンド/2.5時間

取材協力

英国政府観光庁

Starring GREAT Britain - the movie (JP)
https://youtu.be/zP9yUGuoxy0?feature=shared
HP:VisitBritain.com

古関千恵子(こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●Instagram @chieko_koseki

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2025.09.10(水)
文・撮影=古関千恵子