この記事の連載
ハリーポッター ロケ地ツアー #1
ハリーポッター ロケ地ツアー #2
20世紀を代表するファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズ。その誕生の地であるスコットランドの首都エジンバラから、夜行列車に乗ってロンドンへ! ここにもハリーたちの足跡がそこかしこに。日本語OKのガイドツアーに参加してみました。
ロンドンのハリー・ポッターめぐりはウォーキングツアーに参加が正解!

ロンドンで開催されているハリー・ポッター関連のツアーは、コース内容も、料金も所要時間も実に多彩。迷ってしまうほど豊富です。
ポピュラーなのが、市内の映画ロケ地を徒歩でめぐるウォーキングツアー。所要時間は2~3時間、料金は3,000~5,000円が目安です。日本語ガイドのものも珍しくありません。
また、ロンドン郊外にあるワーナー・ブラザーズ・スタジオツアーの1日ツアーも人気。こちらはロンドンからの送迎とチケット代が含まれて2万円前後が目安。
一方、これらがプライベートツアーとなると金額が一気に跳ね上がります。たとえばロンドン内のウォーキングツアーでも4万円以上が相場でしょう。
数あるツアーの中から、今回は、お手頃なSee Your City開催の「オリジナル・ハリー・ポッター・インタラクティブ・ウォーキング・ツアー・オブ・ロンドン」(日本語ガイド)に参加してみました。
ロンドンにちりばめられたハリーのエピソードを歩いてめぐる2.5時間
当日、ガイドを担当してくれたのは、水色の髪が印象的な、陽気なアダーティー由佳さん。ロケ地をめぐりながら、ハリー・ポッターにまつわるサイドストーリーも交えて、案内してくれます。
ハリー・ポッターが映画化される際、作者のJ.K.ローリングがこだわったのは、英国で生まれた作品なので、撮影はすべて英国で行うということ。
最初に向かったのは、バラ・マーケット。ここは3作目の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』に登場します。

マージおばさんとケンカしたハリーが家を飛び出し、乗り込んだ3階建てのナイトバスが到着する、魔法界の人気酒場「漏れ鍋」でのシーンは、ここで撮影されました。その途上、バスは正面衝突を避けるために細長く伸びたり、急停車してフロントガラスにハリーが顔面を強打したりなど、印象的なシーンが記憶に残っている人も多いはず。

映像にある魔女の看板は撮影時に設置されたものですが、背景に映る漆黒の石垣はもともとそこにあったものなので、今もそのままに残っています。

さらに、近くの建物の3階にある一番左の部屋も、ハリーが宿泊した部屋として登場しています。その部屋で、ハリーは“怪物的な怪物の本”を捕まえます。これはハグリッドがハリーの13歳の誕生日にプレゼントとして贈ったもの。噛みつこうとするけれど、なでるとおとなしくなる、強烈な個性の本です。
シリーズ第3作で新たにメガホンをとったメキシコ人監督、アルフォンソ・キュアロンは、ロケ地選びに大いに悩んだといいます。そんなとき、J.K.ローリングから「ロンドンっ子たちも大好きな場所よ」とアドバイスを受け、このバラ・マーケットがロケ地に選ばれたそうです。
2025.09.10(水)
文・撮影=古関千恵子