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二幕ある長丁場の舞台の後にダイナミックな舞踊も楽しめる!

2本立ての贅沢さ

 歌舞伎はその名の通り歌と舞が大変重要な役割を果たす舞台芸術です。所作事は邦楽器を使った贅沢な生演奏と、歌舞伎俳優の踊りの巧みさを存分に楽しめるところが魅力です。

 今回の大喜利所作事は、ほとんどが「連獅子」などもともとある歌舞伎舞踊を「とうかぶ」仕様にしたもの! 大変贅沢、かつ所作事入門キットのような演目です。

 何より、二幕ある長丁場の舞台を終えてから、ダイナミックで美しい踊りを披露してくれる皆さんに、あっぱれという気持ちになること間違いなしです。

立廻りや下座音楽など“歌舞伎のお約束”も盛りだくさん

 歌舞伎には伝統と共に受け継がれ、観客を楽しませてきた多数の「お約束」があります。

 例えば、戦闘の場面を「型」で見せる「立廻り」、舞台の下手(客席から見て左)にある黒御簾の向こうで演奏する「下座音楽」、花道の七三の位置にある小規模な切り穴「すっぽん」から人が現れたり、1人の役者が素早く役柄を替わる「早替り」など、観客が盛り上がるお約束もたっぷり盛り込まれています。

 「とうかぶ」を見た方は、古典歌舞伎を見に行ったときに「あれ、これ見たことある!」と楽しめるようになるはずですよ!

世界でここだけの舞台を楽しんで

 古き良き歌舞伎と、日本を代表するポップカルチャーの融合作品である『歌舞伎刀剣乱舞』。歌舞伎ファンも、『刀剣乱舞』ファンも、初歌舞伎の方も、楽しめる舞台です。世界でもここでしか見られない舞台を、ぜひお楽しみください。

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2025.08.07(木)
文=宇野なおみ
写真=佐藤 亘