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カバンからこぼれ落ちたのは……

不自然にポツンと置かれていた女性物のカバン。 

「うわぁあ!! なんだこれ」

ボトボト……ドサリ……。

 中身を覗き見たTさんが悲鳴をあげてカバンから手を離すと、奇妙な文字がびっしりと書き込まれたわら半紙の束と鳥の足がこぼれ落ちたのです。

「こ、これアレ……■麼й鹵の時に女が持ってたカバンやんか」

「□#Щ腴のオヤジ死んだときに、棺桶に入れて燃やしたんちゃうかった!?」

 バンッ!

 突然、建物に2階の事務所のドアが勢いよく開きました。

 一同が固まっていると開いたドアの向こう、真っ暗な建物の中からバタバタバタバタバタと誰かが走ってくる音が聞こえてきたのです。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 Sさんたちは叫び声を上げて門の外に走り出しました。

「ハアッ! ハアッ! ハアッ! ハアッ!」

 さっきまでのんびりと歩いて来た道のりを耳の裏からドクンドクンと激しい鼓動が響くほどに疾走したSさん。

2025.08.11(月)
文=むくろ幽介