【後半】復活組の逆襲!

●Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」

 自然に立ち上がり、体を横に振ってしまう魔法曲。ラッパーのR-指定、歌詞忘れてオヨヨとか舌噛んでイテテとか、これまで一度もないのだろうか。ダジャレも上手なのだろうか。歌いっぷりが見事すぎて、興味津々である。

あなたへの歌 特別企画 「ディズニーファンタジーメドレー」

 大森元貴 (Mrs. GREEN APPLE)  とSAKURA (LE SSERAFIM)の『輝く未来』がエモすぎてコタツから飛び起きたぜ! Mrs. GREEN APPLEの皆さんは、いつ映っても楽しそうでいい。郷ひろみさんを継ぐ紅白ハッピー隊長として今後も注目。

●GLAY「誘惑」

 25年ぶりの紅白も最高にロック! TERUの両手をバッと広げる仕草、「キャモーン!」のシャウト、アガルわ~!!「ゆく年くる年」の時間を少々ずらし、もう一曲「Winter,again」を歌っても許された気がする。TAKUROの背の高さを改めて知る。

●坂本冬美「能登はいらんかいね」

 石川県輪島市の輪島高校体育館で歌唱。地元の伝統である御陣乗太鼓に合わせ、ひとりひとりと握手しながら歌う彼女の姿に、歌の原点を見た気がした。

●特別企画 B'z「イルミネーション」

 まさかの生出演、マイクトラブルからの速攻復活、「ultra soul」のNHKホール全員総立ちからのジャンプという神盛り上がり。さらにSNSでは「ステージを見て風邪が治った」というコメントまであり、まさに奇跡の7分54秒。

●藤井 風「満ちてゆく」

 ニューヨークから生中継。メメント・モリな演出に見惚れた。朝日までも味方につける、藤井風に仰天。B'zの稲葉浩志と藤井風を生んだ岡山県の底力におののく。すごいな晴れの国!

●南こうせつ「神田川」イルカ「なごり雪」

 2曲とも70年代の歌だが、いい曲は何十年経っても、ギター1本でも沁みまくると証明。膝を抱え一緒に歌う。お二人とも声の瑞々しさはまったく変わらずで、イルカさんに至っては姿も変わらず、タイムトラベラー説が私の界隈で囁かれている。

●西野カナ「EYES ON YOU 紅白スペシャルメドレー」

 ピンクの衣装と笑顔、安定した歌声、すべてがハッピー! プリンセスの復活にガッツポーズ。

●特別企画 氷川きよし「白雲の城」

 妖艶かつパワフルな「限界突破×サバイバー」も素敵だったが、ド演歌で勝負してきた今回は後光が差していた。魂の歌唱。「命ある限り歌う」宣言にガッツポーズ。私はこの紅白で何度ガッツポーズしているのか。

●THE ALFEE「星空のディスタンス」

 41年ぶりの出場というミラクルな事実や、高見沢さんの「必死こいて」発言、ド派手ギターなど、歌う前から視聴者はどよめき、いざ歌うとハリのある歌声と美しいハーモニー、激しいギタープレイに歓声を上げた。「70歳? ウソだろ……」。ウソではない。70歳はまだまだ青春であると見せつけられた3分間。

●髙橋真梨子「for you…」

 下のほうでキュッと指を握って歌ってらっしゃる姿が可憐! とても緊張されている感じと、艶やかな歌声のギャップに萌える。食べているみかんまで倍甘くなる気がするほどいい声。

●特別企画 米津玄師「さよーならまたいつか!」

 「虎に翼」とのスペシャルコラボ。今回のロケ地は愛知県・名古屋市市政資料館。「Lemon」の徳島県・大塚国際美術館もよかったし、米津さん、文化遺産と滅法相性がいいので、日本全国巡ってほしい。

●石川さゆり「能登半島」

 今歌わずしていつ歌う! その気迫が歌唱に溢れ出ていたのはもちろん、歌唱後、両手をグッと握るポーズを繰り返していたのも印象的。ドストレートの想いと表現に勝るものなし。

●特別企画 玉置浩二「悲しみにさよなら」

 「愛を、世界の平和のために」。リリースから巡り巡って、この歌の力が今こそ必要だと思わせる歌ってあるよね。無数のキャンドルの中、響き渡る声は強いけどやさしい。

2025.01.24(金)
文=田中 稲