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1200年の歴史と山の空気をともに味わう

 1200年の歴史を誇り、天台宗の本山寺院として知られる比叡山延暦寺はその文化的な価値は言うまでもなく、比叡山そのものが都富士と呼ばれ、天台薬師の池と詠われた琵琶湖や京都の町並みを一望できる自然環境にも恵まれた場所。自然散策と史跡巡り、どちらも楽しむのにはうってつけの場所です。

 比叡山は京都一周トレイルのコース沿いでもあり、ハイクにも最適な山。ハイキングコースを分け入っていくと、気持ちのよい小道が広がっています。

 「東京でも高尾山とか、身近な山はありますが、京都の山の近さはそれとは違った独特な近さがあるような気がします。町をグルっと囲むハイキングコースがあって、コースのところどころに気軽にアクセスできるのってなんだか素敵ですね」

 気持ちのよい山道を歩いたら、境内もしっかりと散策。

「実は、寺院って修学旅行の時にぐるぐる連れ回された経験があったので、そんなに楽しい印象がなかったんです(笑)。でも、こうして、自分の足で歩いて、巡ることで、どうしてこの場所にこういうお寺とかできたのかわかる気がするし、歩く速度で眺めることで、自然も歴史もまた違った見え方をしてくる気がしてきます」

 山歩きを堪能した後は、下山して、京都の町歩きへ。比叡山の麓・八瀬と出町を繋ぐ鯖街道を通り、京都へ向かいます。都へ向かういにしえの道でありながら、今もなお人が行き交い賑わう町・出町はまさに京都の玄関口。どんな出会いが待っているでしょうか。

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井上園子(いのうえ・そのこ)

1998年10月17日、神奈川県出身。2022年よりアルバイト先のオーナーの一声をきっかけに音楽活動を開始、両親の影響で聴き馴染んでいた60〜70年代のフォーク、ロック、ブルース、カントリー、ブルーグラスといったスタイルの音楽をベースに、日常の一コマを独特な視点で“言葉”に置き換えた唯一無二の世界観を三畳一間から産み出すシンガー・ソングライター。茅ヶ崎FMにて「井上園子のごあいさつ」(毎週金曜日 20:00-20:30)のパーソナリティーも務める。9月にファーストアルバム『ほころび』がリリースされた。
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2024.12.19(木)
文=CREA編集部
写真=佐藤亘