徒歩や自転車などゆっくり歩みをすすめながら、日本の豊かな自然や地域の歴史、文化を楽しむ新たな旅のスタイル「ジャパンエコトラック」。アプリではさまざまな旅のルートを提案、マップの整備から各地の協力店の情報、地域の魅力発信まで、快適な旅をサポートしてくれます。
400以上のルートを提案するジャパンエコトラックですが、この12月より、現存する日本最古の道「山の辺の道」や修験道の聖地を歩く「吉野・黒滝トレッキング」など、奈良県南部・東部の奥大和エリアのルートを新たに追加。
奥大和のディープな魅力を味わうべく、さっそく2つのルートを探訪してきました。
電車で気軽にアクセス 日本最古の道を歩こう
「山の辺の道(やまのべのみち)」は『古事記』や『日本書紀』に記される、日本最古の道です。奈良盆地の東北にある春日山の麓から、東南の三輪山麓まで山裾を縫うようにして約35kmの道がつづいています。
ハイキングコースは石上神宮(いそのかみじんぐう)を境に北コースと南コースとがあり、今回は南コースへ。全長約14kmに及ぶ南コースはJR・近鉄「天理」駅からスタートし、JR「三輪」駅がゴールとなるので、公共交通機関で気軽に楽しむことができます。
奥大和地域におけるアウトドアツーリズムの推進を目指し、奈良県と連携する「モンベル」のスタッフさんにガイドしてもらいながら、いざ出発です!
天理駅を出発したら、まずは駅前からのびる天理本通り商店街(奈良県でもっとも長い商店街と言われている!)を東の山裾のほうへとすすみます。
天理といえば、日本でも有名な宗教文化都市。全人類の魂の故郷とされる“おぢば”があり、巨大な天理教教会本部の神殿には、多くの信者が参拝に訪れるのだそう。
商店街を歩いていると、辺りに天理教信者が寝泊まりする詰所や学校などの建築群が。特徴的な千鳥破風と朱のアクセントカラー、シンメトリーな造形美は圧巻で、異国のような情緒を感じることができます。
2024.12.08(日)
文=平野美紀子
写真=三宅史郎