日本人監督として史上最年少で、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に選出されるなど、世界が注目する奥山大史監督作『ぼくのお日さま』。淡くて切ない恋の物語を描く本作で、主人公の少年・タクヤを演じる越山敬達。
アーティスト・演劇集団EBiDANとしても活動する15歳の新星が大きな転機となった本作の撮影について振り返ってくれました。
ドラマでは松村北斗の幼少期も好演
――幼い頃の夢は?
「VS嵐」というバラエティ番組がすごく好きで、将来はそんな「楽しいTV番組に出られるような人になりたい」と思っていました。
それで保育園の年長のときに、家族で新宿を歩いていると、今の事務所の人にスカウトされました。突然、両親が知らない人に話しかけられていたので、「なんだろう?」と思ったことを覚えています。その後、家族で話し合って、事務所に入ることを決めました。
――2015年頃、最初の頃の仕事について覚えていますか? また、アーティスト・演劇集団EBiDANの研究生から選抜されるプロジェクト「EBiDAN NEXT」に選抜された経緯は?
まだ小学生になる前にモデルのようなお仕事をして、その後にオートバックスさんや花王さんなど、いろんなCMに出ることになったのですが、どんどんお仕事が楽しくなっていったことを覚えています。
そして、小学三年生のときに、「EBiDAN NEXT」になる前のBATTLE KiDSに参加することになりました。そこで初めてダンスレッスンを受けたのですが、また新しいことに挑戦するのが楽しかったです。
――その後、松村北斗さん演じる長峰柊磨の幼少時代を演じた「恋なんて、本気でやってどうするの?」などのドラマにも出演されます。
ドラマの現場は新鮮で楽しかったのですが、当時の僕は役作りのようなことはできませんでしたし、「いただいた役を演じなきゃ」という気持ちでお仕事していたと思います。それが『ぼくのお日さま』という映画に出演することで、俳優としての心構えが大きく変わったと思います。
2024.08.30(金)
文=くれい 響
写真=末永裕樹